2008年4月21日
USA ハワイアン スティール弦ギター フィンガーピッキング スラックキー
ハワイのグラミー賞と言われるナ・ホク・ハノハノ・アワードという賞がある。ここに常連といって良い程顔を出しているのが、Kapono Beamer である。彼はハワイでも有数の音楽一家の出で、ギタリスト・作曲家・シンガー・プロデューサーというマルチタレントの持ち主であり、兄にハワイアン・コンテンポラリー・ギタリストの第一人者である Keola Beamer を持つ。兄 Keola がバンドサウンドを主体にした快活なアーバンサウンドであるのに対して、Kapono はややオーガニックな印象がある。Keola とのデュオ活動と平行してソロでの活躍も活発で、これまでにリリースしたディスクは20枚ちかくになる。ギタリストとしての Kapono に際しては、個人的には、あまりに洗練されすぎなのがちょっと...というか、もうちょっと土臭い音が好きなのだが、とまれ万人に奨めることのできるモダン・スラックキー・ギターである。
'50年代に活躍したフラ・シンガーであり、Kapono の祖母である Helen Desha Beamer に捧げたアルバム。一部にフルート等が入っている他は、彼のギターによるソロまたは多重録音であり、オール・インストゥルメンタルな一枚。Helen は Kapono が生まれる前に亡くなっているが、彼は録音された祖母の歌を聴きながら幼少期を過ごしたのだという。このアルバムには、Helen 所縁のナンバーが14曲詰め込まれており、ジャケットに象徴される気品と優雅が満ちている。無伴奏ソロの「Pihanakalani」等も白眉だが、他の多重録音ナンバーでのギター・オーケストレーションとも言える音作りがなんともイイ。最近、Jack de Mello というハワイアン・コンポーザーの甘美でゴージャズなオーケストラサウンドにハマっているのだが、このオケに Kapono のギターを乗せて聴いてみたい!! と、本アルバムを聴きながら思ってしまった。
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