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    アコギスト宣言!!

    Kenny Burrell (ケニー バレル)

    2005年10月16日

    USA 1931-7-31 〜 ジャズ/フュージョン ガットギター

    プロフィール

    Eddie LangDjango Reinhardt、Charley Christian といったルーツも個性もバラバラな規格外の天才達が作り上げた「ジャズギターの黎明期」が過ぎ、先達の遺産を受け継いだギタリスト達が多く登場し始めたのが'50年代。その中の一人が今なお絶大な人気を誇り、多くのフォロワーを持つ Kenny Burrel だ。時は折しもビ・バップ全盛期。同時代のギタリストには Barney Kessel や Herb Ellis がいるが、両者が豪快なスウィング感溢れるリズムギタリスト的キャラクターを売りにしていたのに対し、Kenny Burrell は緻密でクールなテクニシャンという印象がある。実は私も初めて彼らの演奏を聴いたのが、とあるジャズギターのコンピレーションアルバムだったので、こういう対比による印象が強いのだが、改めて Kenny Burrell の作品を聴いてみると、黒人(正確には白人とのハーフだが)の血を感じさせるブルージィな野趣がバップのクールネスと理想的に融合していたことが、大きな魅力だったことに気づく。そしてもう一つのチャームポイントは、早い時期に習得したクラシックギターの手腕に支えられたアコースティック・ギタリストの側面だ。2000年を越えて今なお、ニューアルバムを届けてくれる健在ぶりが嬉しい。

    アルバムレビュー

    Guitar Forms

    '65年発表。このアルバムを Kenny Burrell のベストに推すファンも多い名盤中の名盤。ジャズ・アレンジャーの大御所 Gil Evans を迎えて、実に様々なスタイルの分厚いサウンドに Burrell のギターが映えまくっている。曲の半数ではガットギターが使われ、百花繚乱の色彩をいっそう華やかにしている。東洋趣味とスパニッシュ風味が妖しく合体した「Lotus Land」、短いインターミッション風ながらアーバンな倦怠感がタマらない無伴奏ギターソロの「Except from Prelude #2」、メランコリックでギター好きのツボに効く Burrell のオリジナル作「Loie」... 邦題が「ケニー・バレルの全貌」と付けられているのが納得できる、優れたギタリストが持つ小宇宙を音溝に刻みきった希有な一枚。聴くべし。

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