2004年5月29日
ブラジル 1957 〜 サンバ/ショーロ ガットギター フィンガーピッキング
現代ショーロを代表する、作曲家、アレンジャー兼ギタリスト。リオデジャネイロの音楽家一家に生まれ育ち、7弦ギターの大家 Dino 7-Cordas に師事。'77年にプロキャリアをスタートさせて以来、実に多くのミュージシャン(日本人も含む)と共演を重ね、現在の地位を揺るぎないものにしている。
ショーロは多分、日本でいえば演歌に近い位置にあるのだろうが、今でも若いアーティストが斬新な切り口で登場してくるのが違いと言えるかも知れない。Mauricio Carrilho は、ギタリストとしては比較的保守的なスタイルの演奏だが、それは彼の本質が作曲や編曲等の創作にあることの裏返しかもしれない。年代のせいだろうか結果として出てくる音楽はサウダージ(郷愁、悲哀などの意)が身上のショーロを、コンテンポラリーかつ普遍的なポピュラーミュージックに変貌させている。ブラジル音楽の入門編として良いかも。
'99年、SARAUというリオデジャネイロのレーベルから。バンドリンの Pedro Amorim、クラリネットの Paulo Sergio Santos とのトリオ O Trio 名義でのインストアルバム。Mauricio が優れた弾き手であり、コンボの骨格を支えていることが一聴して伺えるが、いかんせん地味なバッキングが多いのが残念。珍しいところでラグタイムの Scott Joplin のナンバーを2曲演奏しているが、ショーロは本来柔軟で懐の深い音楽の筈なので、このような異種交配を是非続けてもらいたい。
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