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    アコギスト宣言!!

    Darby & Tarlton (ダービー & タールトン)

    2007年5月20日

    USA フォーク ブルーズ スティール弦ギター フィンガーピッキング スライド ユニット

    プロフィール

    '20〜'30年代にかけて活躍した、弾き語りデュオ。ギターを寝かせてスライド奏法でソロをとる Jimmie Tarlton と、メインボーカルをとりながらリズムギターを奏でる Tom Darby の二人は、共に南西部の労働者出身で、Tarlton の一家などは農園から農園へと仕事を求めて移動する放浪者だったらしい。コロンビアレコードのレコーディングセッションがきっかけでコンビを組み、「Birmingham Jail」が大ヒットする等の成功を見せた。長くはない活動期間であったが、成功に満足してしまった二人はその後リタイア状態となって顔を合わせることも少なくなる。'60年代のフォークリバイバルの時にこの二人を担ぎ出そうという動きもあったようだが、Darby の衰えが酷くデュオの復活は成功しなかったらしい。Tom Darby は'71年に、Jimmie Tarlton は'79年に死去。現在残されるいくつかの録音が、戦前のパラダイス・ミュージックの響きを今に伝えてくれる。

    アルバムレビュー

    Ooze It Up To Me

    Darby & Tarlton の録音は3枚組のコンプリート盤となって今でも発売されているが、これは1枚に編集されているので聴きやすいボリュームだ。ロック世代が戦前音楽に触れるのは、おそらく大半がブルーズの源流を求める旅だったりするのだろうが、この二人の音楽にはブルーズはもちろん当時の白人フォークやラグタイム、ハワイアン、はてはヨーデルの断片までが入り混じっており、現代に劣らないミクスチャーぶりが凄い。今のリスナーが音楽に求めるのが刺激だとすると、当時のそれはやはり、うっとりするような美しさだったのではないだろうか。大半が弾き語りだが、「Birmingham Rag」の1曲だけがアコギインストで非凡な二人のギタリストのグルーヴに酔いしれる3分間だ。

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