2003年12月1日
イタリア ジャズ/フュージョン ガットギター
ミラノ在住のガットギタリスト。テクニック的に特筆すべきものは無さそうだが、アイディアの豊富なアーティストと見えて、アルペジオを主体に(ややECM的な)独特の音空間を形成している。
'93年、GLM というヨーロッパのジャズレーベルから。ガットギターに Beto Cutillo のパーカッションと Roberto Gotta のフルート/サックスというトリオ。このパーカッションがビリンバウやコンガなどを多用していて、無国籍エスニック的雰囲気を導入するのに大きく貢献している。アルバム全編にわたって、ギターにはロングディレイとゆったり周期のトレモロがかかっており、ジャズのようなニューエイジのような奇妙な味わいがある。ときおりアヴァンギャルドな側面も見せるが、1曲目「Ubik」に代表される夢見がちな、ちょっと泣かせるコード進行のミディアムテンポがこの人の持ち味だと思う。やや雰囲気先行の感はあるけど。