2004年6月21日
USA 1966-9-9 〜 ロック ガットギター スティール弦ギター
'80年代後半には、米西海岸のプロ・スケートボーダーとして伝説的存在となり、そのカリスマ性そのままに周辺カルチャーであるヒップホップのフィールドに転身、変わらぬ高い支持を持ち続けている。
ここ数年のロック・ムーブメントで気になるのは、ヒップホップやサーフミュージックとリンクしたアコースティックギターの採り上げられ方である。つまり、この Tommy Guerrero や Jack Johnson たちの音楽のことなんだけど、それはかつてのヒップホップでの様に、古いギター演奏をループさせてリズムトラックに押し込めてしまうのとは全く異なったコンテクスト(、だよなぁ?)。攻撃性あるいは破壊性を旨とすべしといった連帯から、一人はぐれたような佇まい。古いフォークやジャズの音をなぞるような穏やかな音で鳴らされる、音楽史上かつてなかった空虚で殺伐とした空間。愛読音楽雑誌が、Rockin' On からレコードコレクターズになってしまっても、ロックの動きは横目で眺めるだけで分かるつもりでいた自分だけど、この音に出会って初めて、世代の断絶というヤツを感じるようになった。
'00年、MO WAX からのセカンドアルバム。淡々としたリズムトラックに穏やかなギターが交差する、オール・インストの15曲。うち3曲程がアコギだ。
この音を聴いた時は、大好きだった Durruti Column を真っ先に思い出したもんだが、ロングディレイを多用した音の感触が似ているだけでなく、内省的な印象もそのまま。かれこれ20年を経た今、こんな(ある意味自己憐憫的な)音が生き返ろうとは。なんてレビューはネガティブな言葉使いしているけど、正直に言えば自分の耳にはとても美味しい音楽であることに間違いない。日がな一日流しっぱなしにして、ウクレレ補修用の木材を削ったりペグの調整していたくなるような感じ。
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