2005年8月14日
イタリア 1962 〜 ジャズ/フュージョン ガットギター
スペインやイタリアあたりの地中海沿岸のラテン諸国は、もともと芳醇な土着の音楽が存在している為か、あまりジャズを連想しない。ヨーロッパジャズと聞いて北欧を思い浮かべてしまうのは ECM レーベルの成功による先入観なんだろうか。そんな事を、このイタリアのジャズギタリスト Simone Guiducci を聴いて考えた。彼は'90年代からクローズアップされ始めた若手ギタリスト兼作曲家。彼が率いるアコーディオンを交えたユニークなユニット Gramelot Ensemble は、ヨーロッパ各所でのジャズフェスで高い評価を受けている、そうだ。ギタープレイを聴く限り、際だって個性的とも思えないが、腰つきが柔らかいというか、柔軟でありながら安定していて屈託の無い朗らかな印象を受ける。
'02年、Gramelot とは別のメンバーからなるカルテットでの、アコギジャズアルバム。ドラム、ベース、ピアノの調和の取れたバックを得て、Godin のガットエレアコがパキパキと小気味よく唄っている。最近、ジャズギターを聴くときはソロプレイより、他の楽器がソロをとる時のリズムギターに耳が行くようになっている。そういった意味では、Guiducci のコードプレイは控えめというか工夫が見られないというか、ちょっと食い足りないのだな。そうかと思うと、無伴奏ギターの導入部から始まる「Aquarela do Brasil」でのパーカッシブなギターソロは素晴らしかったりする。うーん、今度は無伴奏ソロナンバーを聴いてみたい。