2004年5月29日
日本 ジャズ/フュージョン ニューエイジ スティール弦ギター
ギターと同時にシンセサイザーその他のあらゆる電子機機器を駆使して、エキセントリックな音世界を構築するアーティスト。アヴァンギャルドでありながら、作風には日本人のアイデンティティが色濃く込められている。それが日本よりヨーロッパを中心にした海外での評価が高いのは、何とも皮肉。映画や各種舞台の音楽を担当したり、音楽教育、楽器メーカーのアドバイザーとして活躍する等、なんとも貪欲な創作活動だが、音楽家としての彼の本質がインプロヴィゼイションを中心に据えた、あらゆるルールからの逸脱と再構築にあると見るのは、たぶん間違っていないだろう。
思うに人間は、この音楽に陶酔できる人とできない人と、くっきりふたつに分かれると思う。残念ながら私は後者。オーソドキシイの影がカケラも見えなくなる程、音楽のフロンティア外までぶっ飛んでしまう覚悟も体力も無い訳で(^^;)。
'98年発表のギターソロアルバム。とは言ってもはやりギターは多種ハイテク・マテリアルが出す音の洪水の中心に、ひとつの音源のように据えられている。コンセプトはよくわからんが、古代日本の葬送に関する風習をタイトルにする他「播磨國風土記」とか「太陽の鎮魂歌」など何やら不吉な連想を誘うタイトルがずらり。前衛方面なら、もっとロジカルかつドライな方が好みなんだがな(^^)。さて、ギターは音色こそ一様にエレクトリックなんだけど、スタインバーガーやらに混じってタカミネのアコースティックギターがクレジットにある。2曲目「高遠」では、比較的エフェクトの薄いアコギタッピング(Headges風)が聴ける。エレクトリックではあるが、6曲目「カプリース24番」と9曲目「呉爾羅(ごじら)抄」が、ヘビメタの中の人とかが悦びそうで... うーん、笑ってイイところなのかなぁ、判断に悩む(^^;)。
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