2003年12月1日
日本 1963 〜 フォルクローレ ガットギター フィンガーピッキング
愛知県生まれだが、少年時にフォルクローレに魅せられてボリビアに渡る。高名なチャランゴ(南米産の小型撥弦楽器)奏者 Ernesto Cavour の薦めであったという。その後、多くのミュージシャンの交流を重ね、活動の幅を広げている。'91年に映画「橋のない川」を担当したのは記憶に新しい。特別なギミックは何もないシンプルなフィンガーピッキングによる演奏だが、それだけ音楽そのもののクオリティに触れることが叶う。未熟なだけの素朴さに「純粋」とか「清らか」などとラベルを張り付けて売り込んでくる音楽は警戒すべきだが、このプレイヤーにはフォルクローレという太い根に支えられた「個」が輝いている。
'98年、CandyRecords から。ギター数本を多重録音したインスト集で、作品は殆どがオリジナル。ギターはガットだと思うが、パキパキとアタックの強調された録音がされており、これは好き嫌いの分かれるところだろう。個人的には、ニューエイジ風のフワフワした音に辟易しているので、好感を持っている。フォルクローレという表現形態をベースにしながら、瞼に浮かぶは日本の山野(^_^)。ちょっとおセンチではあっても、我が道を行く心意気に○。