2003年12月1日
スウェーデン 1961 〜 クラシック ガットギター 多弦ギター フィンガーピッキング
10弦または11弦等の多弦ギターのマエストロがまた一人、北欧に誕生した。Andres Miolin は'61年ストックホルム生まれで、'89年にデビューを果たしている。同じ北欧で多弦ギタープレイヤーでは先輩格の Göran Söllscher のトレードマークがバッハであるように、近年の彼のレコーディングを見ているとラベルやドビュッシー、サティという近代印象派の巨匠達に強い接近を見せている。ギターのレパートリーとしては決して縁の深い作曲家ではないが、クラシックではバロックと近代フランス周辺が好きな私にとっては、今後が楽しみなアーティスト。
'97年、BISレーベルからのモーリス・ラベル作品集。聴きどころはやはり有名曲の「亡き王女のためのバヴァーヌ」や「組曲マ・メール・ロワ」あたりになるのだろうか。ラベルといえば眩いばかりの夢幻的オーケストレーションがすぐ連想されるので、どのようにギター編曲を取り組むのかというのは誰もが興味を持つ事柄だろう。Miolin は、一昔前のギタリストが好んで用いたようなハープ風の感傷的奏法に陥ることなく、全くの正攻法で難しいハードルを(ひとまずは)クリアしているように思える。