2004年4月6日
日本 1947-1-13 〜 ニューエイジ フォーク スティール弦ギター フィンガーピッキング
まさに日本アコギストの草分け的存在。'60年代後半に西岡たかし氏らと結成したフォークグループ「五つの赤い風船」をはじめ、様々なユニットでの活動を経て、ソロ・ギタリストとしての地位を確立した現在に至る。演奏活動のかたわら、著名ミュージシャンのレコーディングセッションやギタースクール開校等、活動の幅は本当に広く、特にギタースクールでは沢山の優れた若手ギタリストを輩出したことで、日本アコギ界のドンとしての風格をいやがうえにも増している今日この頃(^^)。
音楽的には Peter Paul & Marry に代表されるモダンフォークを出発点として、カントリー・ブルース分野の海外ギタリストから影響を受け続け、80年代を過ぎてからはニューエイジミュージックの洗礼を受けて、そのギター演奏スタイルは非常に多彩なものに変化し続けている。とはいえ、表現の核には常に「日本的ななにか」を持ち続けていこうという意思が感じられる。ステージを観ても、ギターの音色などへの気の使いようはある意味執念的で、クラシックギタリスト顔負けである。
Peter Finger 一派との共演など、海外ギタリストとの交流も盛んになる一方であり、この人をチェックしておけばアコギ界の動きがわかってしまうよん。
'91年に BMGビクターから。ニューエイジミュージックからの影響をひととおり消化しきった上で、「'90年型中川イサト」としての個性を確立した本格ギターソロアルバム。14曲中、2曲を除いてアコギインストであるが、「蘇州夜曲」などが聴けるのは日本人アーティストならでは。個人的にはドライなギター演奏が好みなので、ちょっと和風テイストが過剰かな、とも思えなくもないけれど、クオリティの高い演奏であることに変わりはない。収録されている数曲は、ギターソロ楽譜として出版されているので、他の誰でもないギタリストに向けての一枚ということなのかも知れない。
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