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    アコギスト宣言!!

    Anthony Phillips (アンソニー フィリップス)

    2005年10月9日

    イギリス 1951-12-23 〜 ロック ガットギター スティール弦ギター

    プロフィール

    Peter Gabriel や Tony Banks らとともに、長寿プログレバンド Genesis のオリジナルメンバーであり、ギタリストを務めたのが、この Anthony Phillips だ。初期 Genesis では、作曲等の音楽面で重鎮的存在だった Phillips だが、ステージ恐怖症(?)の為に3枚目のアルバム製作途中でグループを脱退している。ソロ転向後は、アカデミックな音楽教育に就きながらクラシカルでアコースティックな響きを重視したアルバムを多数発表している。ロックの世界が、やれディスコだテクノだニューウェーブだと目まぐるしく変わる中で、シーンに背中を向けるようにして自分の音世界に忠実な表現活動を四半世紀以上も続けて来ている Anthony Phillips は、必ずしもロック的ではないかもしれないが信頼できるアーティストであることに間違いない。

    アルバムレビュー

    Private Parts And Pieces Part 3 - Antiques

    '81年、現在まで続いているコンセプチュアルなアコースティック・インストゥルメンタルシリーズの3作目。このシリーズ中もっともアコースティックギターに焦点を当てて作られたのが本作品だと思われる。Anthony Phillips はどちらかというと、作曲家・アレンジャーとしての資質に優れた人で、一方プレイヤーとしては一流とは言い難い(失礼)。本人もそれを承知してか、このアルバムではアルゼンチンのギタリスト Enrique Berro Garcia をゲストに招いている。それ程までにして、楽曲をパーフェクトに表現することを希求したのではないだろうか。Phillips はテレビや映画の音楽に関する仕事を数多くしているせいか、これらのナンバーも多分に映像的な印象。多重録音は極力少なめにして二挺のギターでデリケートなナンバーをさざ波のように奏で出している。組曲形式のものもあるが、プログレギタリストにありがちな大袈裟でこけ脅し的なのが皆無なのがイイ。そのぶん貴族的というか、すこし窮屈な感じがしなくもないが、イングリッシュガーデンのような調和と均整美に優れた一枚である。

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