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    アコギスト宣言!!

    Slim Richey (スリム リッチー)

    2006年1月15日

    USA ジャズ/フュージョン ブルーグラス スティール弦ギター フラットピッキング

    プロフィール

    テキサスはオースティン出身のジャズギタリスト。ZZ Top の Billy Gibbons と見間違えそうなサンタクロース髭(なんていうんだろ、あのヒゲ)が、スウィング・ジャズというニッチなフィールドを活躍の場としながら彼を「伝説のギタリスト」たらしめている事を、象徴的に印象づけている。経歴も霧の彼方でハッキリしないもの彼らしいが、どうやらハイスクール時代にジャズバンドでギターを弾いたりしているうちに、オクラホマ大のジャズフェスティバルで「あんたのソロ、とっても目立ったで賞」みたいな栄誉に輝き、Herb Ellis や Dan Hicks らとのレコーディングセッションに参加、という感じでキャリアをスタートさせたらしい。国内・ヨーロッパでのライブ・サーキットや、レッスン講師としての活動が主らしくリーダーアルバムは少ないが、'70年代に自ら立ち上げたレコードレーベル Ridge Runner でのブルーグラスとスウィングジャズとの交配実験の数々は、Dawg ミュージックの黎明期を切り開いた試みとして語り草になっている。21世紀になって美女ボーカリストを従えて(羨ましい^^)のユニット Slim Richey's Dream Band を率いて第一線に復帰、活躍中。

    アルバムレビュー

    Jazz Grass

    '77年に自ら主催の Ridge Runner レーベルからのリーダー作。Sam Bush (マンドリン)、Ricky Skaggs (フィドル)といった、現在も Dawg シーンで活躍中のスーパープレイヤーを贅沢に配した布陣で、懐古趣味とリラクシングと新しい何かへの予感が同居した、アコースティック・スウィングの傑作を作り上げている。筆者にとって Dawg ミュージックのフェイバリットアルバムは Tony Rice の「Mar West」なのだけど、この「Jazz Grass」で既に下地が出来上がっていた事を実感できる。それでいて「Mar West」を支配する緊張感の代わりにアットホームな親しみやすさが溢れていて実に魅力的である。演奏形態としてはブルーグラス式というか、各楽器(ギター・マンドリン・フィドル・バンジョー・ドブロ)がソロを回していく曲が多く、Slim Richey のギターがことさら前に出ることは少ないけれど、「Angel Eyes」や「Jazz Grass Waltz」あたりでは、リーダーの面目躍如といった感じのギターが聴ける。

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