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    アコギスト宣言!!

    Brandon Ross (ブランドン ロス)

    2010年3月22日

    USA ジャズ/フュージョン ガットギター スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    予備知識なしに Brandon Ross のギターを聴いた者の大半は、ヨーロッパのジャズギタリストか何かだと思ってしまうだろう。ニュージャージー出身のこの黒人ギタリストは、ジャズ・ビックバンドのトロンボーン吹きを父に持つにもかかわらず、いやそれ故にだろうか。18歳のデビュー以前から、黒人音楽を祖とする自国のポピュラー音楽はとうの昔に一巡し、ストラヴィンスキーやドビュッシーに耽溺しつつも世界の民俗音楽に自分の核となる音楽性を探し求める「アメリカ人」であった。プロの世界に身を投じた後も、彼の音楽はマネタイズからは遠い位置にありつづけ、なかなかリーダー作を制作する機会に恵まれなかったようだ。'90年代に Cassandra Wilson のバックを務めたことを契機に、一躍表舞台に躍り出た Brandon のポテンシャルは多くの音楽ファンを驚嘆させたに違いない。
    ジャズだとかロックだとかの音楽のジャンル分け(これはこれでちゃんと意味のあることなのだが)を無意味に感じさせる、「自分モード」を持ったアーティストに時々出会うことがある。Brandon Ross もまた、強力な独自世界をもつスケールの逸材であることに間違いない。

    アルバムレビュー

    Costume

    '75年の初レコーディングから数えて約30年。'04年の Brandon Ross 初リーダー作は、フル・アコースティックな渾身の一枚となった。たゆたうベースの爪弾きで始まるトップナンバーの「Another Approach」は、フリー・フォーマットながら往年のジャズファンも、すっと入っていけるムードを持つ「親しみやすい」ナンバーだ。続く「No Wonder」も前曲の延長にありそうに思わせておいて、ひそやかに、そしてどんどんエッジは鋭くなって行く。3曲目「Peace Flows」は Brandon の弾き語りだ。少年時、現代詩の一節に勝手にメロディをつけて歌っていたという、ネイティブな表現者としての彼の真骨頂かもしれない。4曲目「Race Face」は、それまでと一転してアップテンポなナンバーだけど、やはり根源的で原初的な音楽を追い求める Brandon の姿に変わりは無い。
    全部は紹介しきれないけれど、シンプルな歌モノとモーダルなインストナンバーのバランスが実に良いアルバムだなと思う。ちなみに、このアルバムで Brandon が使っているギターはソプラノギターという特殊なものらしい。フレットレスのようなアタックの強い音が、何やら撥弦楽器の故郷である中東〜北アフリカを想起させ、聴くものを一層「ここではないどこか」へ誘う。

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