2006年8月13日
ドイツ 1955-1-10 〜 ロック スティール弦ギター フラットピッキング
ツートーンのフライングVを駆りヘヴィメタルの「神」と異名をとる、カリスマギタリスト。Scorpions 〜 UFO 〜 Michael Schenker Group と幾多のグループを渡り歩き、現在はソロプレイヤーとして何回目かのピークを迎えている。ポップでややクラシック風なブルース臭の希薄な音楽性(この辺が特に日本人受けする理由だと思うんだが)に、彼独特のスピード感がマッチしたギターサウンドが特徴の Michael Schenker、ロックにはヘヴィネスを求める筆者にとっては必ずしもフェイバリットギタリストではないけれど、ヘヴィメタルという色眼鏡を外してみると彼の持ち味は結構好みにフィットしていることに気づく。そういえば、UFO時代のヒット曲「Only You Can Rock Me」は今でも好きな曲だし(^^;)。とにかく、特別トリッキーなプレイを売り物にすることなく、頑固一徹な個性を徹頭徹尾貫いてリスナーの心に食い込んできたこの完全主義者ギタリストは、信用に値すると思うのだ。そして、ここ数年はアコギ・インストにも継続的に取り組んでいるし、忘却の彼方に追いやるのは未だ早すぎる。
'02年発表の、現在まで続いているアコギインストシリーズの第二弾。ドラムもベースも無く、Michael 自身の弾くアコースティックギターのオーバーダビングで作られたホームメイド的なアルバムだが、人間関係で悩まされ続けた彼にとっては今一番良い結果が出せる形態なのかも知れない。サウンドはアコギだからといって別に変わることの無い、Michael Schenker 節が健在だ。Ovation ギターのライン録りなので音はペカペカと軽くダイナミクスも乏しい。きっちりエアマイクで録ってガツンとした音に纏めれば随分印象が違うと思うのだが、フライングVという軽くてレンジの狭いギターで個性を培ってきた彼からすると、こういうのが好きな音なのだろうか。「ロック」だと思って聴くと肩すかしを喰らうかも知れないが、楽曲自体は魅力的なメロディラインを沢山織り込んだ佳曲ぞろいだし、裸の Michael Schenker を知ることのできる好盤かも。
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