2005年2月27日
オランダ ジャズ/フュージョン ガットギター フィンガーピッキング
ヨーロッパを中心に活躍する、オランダ出身のギタリスト。カナダの Banff 芸術協会でジャズギタリストの Kevin Eubanks らと同窓で学んだ後、Loosdrecht ジャズ際で優勝。自己のギタートリオを率いて、クラシカルテイストに溢れた知的なアコースティック・ジャズを聴かせてくれる。
'98年、Acoustic Music Records から、プロデュースは Peter Finger。ボサノバライクなアップテンポのトップナンバー「Parcours」を聴いただけで、このギタリストの非凡な作曲の才と演奏能力は一目瞭然。ガットギターを多用していることや和音の進行が現代音楽風なこともあり、全体的には玄人好みというか、硬質な感触。けれどこれまで聴いてきた「難しいことを難しく表現する」プレイヤー達から頭ひとつ抜きんでているように感じるのは、明快で印象の強いテーマを持つ楽曲(「Decisions」や「C White」)、カラフルでポップな実験が個々見られているナンバー(「No thoughts counting seven faces」)が多いせいか。Acoustic Music レーベルの作品群の質の高さは定評のあるところだが、このアルバムはその中にあって平均以上の秀作。ハードコアなギター音楽ファンにはお勧めの一枚。