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    アルバム紹介

    クラシックなロックとギター

    2022年2月3日

    Spotify を散策していて、クラシックギタリストによる面白いロック・カバー・アルバムを見つけたので紹介してみたい。

    Classical Rock

    「クラシカル・ロック(Classical Rock)」という直球タイトルなこのアルバム、奏者はジョン・スヴォボダ(John Svoboda)という米国在住のギタリスト。どうやらカンザスでギター教室を営みながら活動しているらしい。Spotify にあるアルバムの内容からはセミ・クラシックな印象も受けるけど、演奏はオーソドックスなクラシックギターのそれなので、少なくともクラシックギターのレッスンを受けてきたギタリストなのだろう。

    最近はアコースティックでロックナンバーをインストカバーすることが珍しくなくなってきたし、このアルバムを見かけたときも「またか」と思ったのだけど、実際に聴いてみたら割と印象が変わった。単に「弾いてみた」レベルのアレンジではないのが面白い。例えばビー・ジーズの「ステイン・アライブ」は何だか東欧あたりのクラシックギター作品のようだし、ディープ・パープル「スモーク・オン・ザ・ウォーター」はこれまた南米クラシック作品のような出だし。ジョニー・キャッシュの「リング・オブ・ファイア」はロス・インカスで有名なフォルクローレ「花祭り」と合体させて奇妙なラテン感を臭わせている。逆に、イエスの「ラウンドアバウト」は比較的原曲に忠実にアレンジしてる感じ。リフ主体なロックンロールと構成がカッチリしているプログレという素材の違いでアプローチを変えているということだろうか。いっぽう、ポール・マッカートニー&ウィングス「007 死ぬのは奴らだ」以降のアルバム後半はメロディの美しさを上手に掬い取ったアレンジだと思った。まあとにかく、ロックとアコギの両方が好きな人ならニヤリとできるアルバムなので、ぜひご一聴を。

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