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    アルバム紹介

    「ブラザー・サン シスター・ムーン」をもう一度

    2022年1月22日

    先日、NHK-BS でかかっていたドキュメンタリー映画「ビートルズとインド」を観ていて、そういやビートルズのインド行きってドノヴァン(Donovan)も同行してたなーと思い出したり。それをきっかけに、ドノヴァンが2004年にリリースしたこのアルバムについて書いてみる。

    Brother Sun, Sister Moon

    ドノヴァンといえばビートルズと同時期にデビュー・活躍したロンドンの SSW。フォーク畑からのデビューだったけど、1960年代後半はドラッギーなロックサウンドを演るようになっていて、当時のサイケシーンに彩りを添えた一人。前述のとおり、1968年にビートルズと共にインドに赴き、そこでジョン・レノンにスリーフィンガー奏法を教えた等の逸話は有名。

    今日の本題はそれから数年後の1972年に、ドノヴァンが音楽を担当したイタリア映画「ブラザー・サン シスター・ムーン(Brother Sun Sister Moon)」について。中世キリスト教聖人の半生を描いたこの作品に、ドノヴァンは多くの美しいメロディを作り大きく貢献した。映画もだが、主題歌も当時なかなかのヒットだったように記憶している。ただ、同時リリースされたサウンドトラック盤にはドノヴァンのオリジナル録音が採用されず、彼には(いや、自分も含めたファンも)それが不満だったようだ。その後ドノヴァンは、それらの録音を別の形でリリースできないかと努力したが、版権の問題が解決でず、結局主題歌や劇中歌の数々を再録音。それらは2004年に iTunes ミュージックストアから限定リリースされたが、現在では Spotify も含めた各ストリーミングサービスで聴くことができる。

    殆どの曲がギター一挺によるシンプルな弾き語りで歌声も若々しく、デビュー当初の彼を思い起こす。なかなかギターインストは演らない人だけど、アルバム最終曲の「ザ・ラブリー・デイ」はギター二挺をオーバーダブしたアコギインストという嬉しいサプライズ付き。これがきっかけでドノヴァンに興味を持った方は、初期の「キャッチ・ザ・ウィンド」や「カラーズ」のような弾き語り曲に触れて、魅力を再確認して頂ければ嬉しい。

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