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    プレイリスト

    十片(とおひら)の雲 - 「ヌアージュ」10選

    2022年1月26日

    去る1月23日に生誕112年を迎えたジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)。彼の代表曲「ヌアージュ(Nuages)」は様々なギタリストが演奏しているけれど、それらから10曲を集めてプレイリストを組んでみた。雲を意味するこの曲、ジャンゴがラヴェルやドビュッシー等の所謂フランス印象派を念頭に作曲したと言われており、ティピカルなジプシースウィングの数々とは雰囲気がずいぶん異なっている。それで演奏者も自分の個性を盛り込みやすいのか、同じ曲の連続だけどなかなかバラエティ豊かなセレクションになったんじゃないかと思う。冬空に流れ行く千切れ雲をイメージして、タイトルは「十片(とおひら)の雲」と。

    10 Nuages
    Track-1
    まずはジャンゴ本人の演奏を。最初の録音は1940年(当時フランスはドイツ占領下)で、全部で10種類以上のテイクがあるそうだけど、リマスターされた良音質のものをチョイスしてみた。
    Track-2
    ドイツの実力派ジャンゴフォロワー、ワワウ・アドラー(Wawau Adler)の演奏。中盤、快速ビバップ調に転じてのトランペットソロが挟み込まれていて楽しい。
    Track-3
    ノルウェイのヨン・ラーセン(Jon Larsen)とオランダのジミー・ローゼンバーグ(Jimmy Rosenberg)による、ストリングスをふんだんに盛り込んだラグジュアリーなバージョン。古い映画音楽っぽい雰囲気。
    Track-4
    イタリアのマウリツィオ・ジェリ(Maurizio Geri)の演奏。とても纏まりのある、カッコイイ演奏だと思う。中盤のウッドベースソロもイカす。
    Track-5
    少し趣を変えて英ジャズギタリストのマーティン・テイラー(Martin Taylor)を。ボサノヴァリズムでの軽妙かつシャレオツなアレンジですな。
    Track-6
    かつては懐古的な音楽だったジプシースウィングを蘇らせ、現代ジャズシーンに橋渡ししたのはこの人、ビレリ・ラグレーン(Biréli Lagrène)。華麗なストリングスをバックにこれまた映画音楽っぽく纏めてる。
    Track-7
    ギタリスト家系、フェレ一家の頭領的存在になったブールー・フェレ(Boulou Ferré)の演奏。奇をてらわないベーシックな中にあってセンスの良さが光る演奏。
    Track-8
    「僕のスウィング」出演で、2003年のジャンゴ没後50周年を盛り上げたチャボロ・シュミット(Tchavolo Schmitt)による演奏。漢っぽいゴリゴリした手触りがたまりませんな。
    Track-9
    オールドスタイルを得意とする米ジャズギタリスト、フランク・ヴィニョーラ(Frank Vignola)マーク・オコナー(Mark O'Connor)のスウィングジャズ・アルバムでギターを担当。
    Track-10
    最後はチャーリー・バード(Charlie Byrd)のガットギターで。ボサノヴァ・ギタリストのイメージが強いバードだけど、若い頃にパリでジャンゴの演奏を聴いてめっちゃ衝撃を受けたらしいので、こんな録音も残っているのねー。

    という訳で、オリジナルを含めて10曲、52分程のプレイリストが出来た。休日の昼下がりにでもお楽しみ頂ければと。

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