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    アルバム紹介

    ハロウィン・リハーサル - ラス・バレンバーグ

    2021年10月30日

    例によって Spotify でアコギ音源漁りしていて、時節に合ったアルバムを見つけたので紹介してみる。近年、アコースティック・スウィングの隠れた名ギタリストとしてクローズアップされた、ラス・バレンバーグ(Russ Barenberg)の「ハロウィン・リハーサル(Halloween Rehearsal)」である。

    Halloween Rehearsal

    ラス・バレンバーグは1950年生まれのブルーグラス・ギタリストで、ギターの師匠はやはりアコースティック・スウィング界隈のギターヒーロー、ジョン・ミラーの兄弟であるアラン・ミラーという人だったとか。その縁がきっかけなのか、1968年にジョン・ミラーらと共にカントリー・クッキングというブルーグラス・バンドを結成。1975年にこれを解散した後は紆余曲折を経てラウンダーレコードからソロアルバムをリリースするに至っている。今回紹介する「ハロウィン・リハーサル」(1987)は、1979年の「カウボーイ・カリプソ」と1983年の「ビハインド・ザ・メロディーズ」をカップリングしたコンピレーション・アルバム。なかなかの弾き手にもかかわらず、バリバリ弾くという感じよりは洒脱な音楽性で快感のツボを抑えたプレイとでも言うべきか。1970年代後半のドーグ・ミュージックの影響を受けているのは明らかだけど、他のプレイヤーとは路線を異にしてカリプソを志向した方向性がユニーク。

    agTunes (の中の人)は「ビハインド・ザ・メロディーズ」をリアリタイムに聴いたクチだけど、当時流行のニューエイジ・ミュージックのアオリを受けたような文脈で、チャラいジャケに差し替えられて日本発売されていた。でも音楽はサイコーで、特にポップな「ウィズアウト・ワーズ」(Track-17)には魅入られて、何とかギター一挺で成立するアレンジにできないかと悪戦苦闘したりもした(結局モノにならなかったけどw)。

    そんな訳で、バレンバーグの初期2枚から美味しい曲を集めたこのアルバム。ラムでも傾けながらカリプソ風味のアコースティック・スウィングをご賞味あれ。

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