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    アルバム紹介

    おかえり、ウィル・アッカーマン

    2021年10月21日

    ここ数年、活動を見かけないと思ってたウィリアム・アッカーマン(William Ackerman)の動向をチェックしてたら、2017年以降はちゃんと数枚のアルバムをリリースしていて、健在ぶりが確認できた。とりわけ興味を引かれたのが、2019年の「フォー・ギターズ(Four Guitars)」。これはヴィン・ダウンズ(Vin Downes)トッド・モスビー(Todd Mosby)トレヴァー・ゴードン・ホール(Trevor Gordon Hall)という3名のギタリストとのコラボレーションなのだけど、ウィルがプロデュースを務めておりサウンドもアッカーマン・カラーに染め上がっている。

    Rural Parlor Guitar

    4名がそれぞれ曲を持ち寄って制作したようだが、サプライズなのがウィルがウィンダムヒル時代のアルバム「パッセージ(Passage)」(1981年)で収録した「無垢の心と誘惑の影(The Impending Death Of The Virgin Spirit)」と「ホーク・サークル(Hawk Circle)」を再録音したこと。「パッセージ」は彼のアルバムで最も愛聴したし、曲の半数以上を懸命にコピーしてステージで演ったりもした思い入れの深い一枚。

    「無垢の〜」は1977年の「イット・テイクス・ア・イヤー(It Takes A Year)」でのギターソロのバージョンが初録音で、「パッセージ」ではダン・ライターのチェロを加えて再録しているので、これで3回目の録音になるのだろうか。この曲では他3人は参加しておらずウィルのソロパフォーマンスだし、アレンジもほぼ従来どおりなので、「イット・テイクス〜」でのテイクに近い。「ホーク・サークル」は、「パッセージ」ではジョージ・ウィンストン(ピアノ)のインタープレイが印象的なナンバーだったけど、今回は4挺のギターがさざ波のように寄せては返すミニマルなムードで始まり、エモーションが最高潮に達した所でスパッと終わるなかなかドラマティックなアレンジ。

    例によって Spotify プレイヤーを埋め込んでおいたので、聴いて頂ければと。Spotify を利用できない方は、ウィルのオフィシャルサイトで全曲まるっと試聴できるようになっているので、 https://williamackerman.com/shop/four-guitars からどうぞ。

    どうですか? 「パッセージ」での2曲と聴き比べてみたくなった貴方はこちら↓をw

    そういや今年は「パッセージ」のリリースからちょうど40年。ウィルも俺も歳をとってしまったけど、昔に聞き惚れた曲がこういう形で帰ってきてくれてとても嬉しい。おかえり、ウィル。そして彼の名曲達。

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