2003年12月1日
USA 1948-2-23 〜 カントリー ガットギター スティール弦ギター フィンガーピッキング フラットピッキング
カントリーギター・ヒーロー Marle Travis の息子であり、多彩な楽器を弾きこなすマルチプレイヤーとして活躍している Thom Bresh だが、実は15歳になるまでギターよりも俳優やスタントマンとしての日々に明け暮れていたそうだ。実際、父からギターを教わったことは無く、現在の彼のギタープレイは Chet Atkins や Jerry Reed ら多くの先達からの影響が入り交じっていて、バランスが取れている印象がある。
ピックアップで拾った音色のアコギと、DTMっぽいシンセのアンサンブル。意図したのかどうか分からないが、なんともチープな雰囲気。ジャケットも自分でCGしたらしいし。ジャケ裏には、パソコンやエフェクター関係が山積みの子供部屋みたいな自室スタジオが載っている。そんなこんなが、伝説の大物を父に持ってしまった者の逡巡や苦悩を垣間見せているように思えるのは考えすぎか。どの曲も、エフェクターやシンセの背後にある本来の生ギターの響きに思いを馳せると、みな素直で優しい音ばかりである。
ちなみに、ジャケットで抱えているダブルネックのギターは、ハープギターの製作で有名な Del Langejans による特注の「二面ギター」らしい。裏返して使い分けるのだろうが、どんな風に弾いているのか観てみたい。