2008年7月19日
メキシコ ボサノバ ラウンジ ガットギター フィンガーピッキング
ウルグアイの Yupanqui と讃えられた名歌手 Alfredo Zitarrosa の伴奏ギタリストを長年務めたのが、このアルゼンチン出身のシンガー・ギタリスト Carlos Díaz、通称 Caíto だ。軍政下の祖国を逃れて、現在に至るまでメキシコで活躍している。Zitarrosa は'89年に亡くなっており、Caíto も近年はソロシンガーとして活動しているが、長年培われたギターの腕前は堅実で確かなもの。一つの音楽ジャンルを代表するようなタイプのギタリストではないが、垣根無しにおおらかにラテン音楽を楽しむなら、入門にはうってつけだろう。
'03年、ギタリストとしてのキャリアを総括するかのように、愛奏曲を詰め込んでリリースされたギターソロ・アルバム。Baden Powell に捧げられているが、やはりギタリストにとって Baden は亡き今でもそびえ立つ巨塔なのだろう。「黒いオルフェ」や「ジェット機のサンバ」などのボッサをメインに、ショーロやタンゴの有名どころなナンバーがバランスよく収められている。ゴリゴリにギターメインかというとそうでもなく、適度にバンドやシンセが加わっていて、ラウンジなムードである。ややインパクトに欠ける感もなくはないので、オリジナルナンバーを1〜2曲入れてもよかったんじゃないかな。