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    アコギスト宣言!!

    David Doucet (デヴィッド ドゥーセ)

    2008年8月9日

    USA 1957 〜 フォーク ブルーズ スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    ルイジアナのシンガー・ギタリストで、'77年から活躍しているケイジャンバンド「BeauSoleil」の一員でもある。
    まるでルイジアナ・フォーク・ミュージックの代名詞のようなになったケイジャンだが、元々はそこに住むフランス系移民を指す言葉。この地の音楽では、主に黒人が演奏する「ザディコ」も有名でケイジャンと混同されがちだが、実際、白人的だったケイジャン音楽にザディコやブルースやロックンロールまで融合させて、新しい躍動感を吹き込むことに成功したのが BeauSoleil なのだ。そんな訳で、現代のルイジアナ音楽シーンは刻々と変化しつつも、米国随一とも言えるユニークなものとなっている。この辺、どんどん画一化が進むだけの日本音楽シーンからみると、うらやましいよねぇ。

    アルバムレビュー

    1957 (Solo Cajun Guitar)

    ケイジャンはもともとダンス・ミュージックなので陽気で賑やかな音楽だ。ところが、バンド BeauSoleil を離れてギター一挺と自分の声だけで作られたこのソロアルバムは、ちょっと雰囲気が違う。15曲中、10曲のボーカルナンバーでは(あのヨレヨレしたヨーデルっぽいボーカルも含めて)まさにケイジャン音楽なのだが、他の5曲のギターインストを聴くと、汎アメリカ的とでもいうような不思議な広がりが見えてくるのだ。
    「Lake Arthur Stomp」は曲名から伺える如く Sam McGee が奏でるカントリーやブルーグラスの趣きで、「Cajun Waltz」は少しケルトの香りも漂う、Doc Watson が爪弾くマウンテン・ミュージックのようでもある。Doucet 作のブルーズ「Les Blues Des Routes」は気怠げなリフレインが John Fahey を連想させるし、同じくオリジナル・チューンの「Rue Canal」には Leo Kottke 的なポップな穏やかさがある。四半世紀以上のバンド活動で培った全方位性をギター音楽に結晶させたら、こんなユニークで愛情溢れる一枚になった。'99年、Rounder レーベルから。

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