2006年5月14日
USA ジャズ/フュージョン ブルーズ スティール弦ギター リゾネイトギター フィンガーピッキング スライド
カントリーブルーズやスウィングジャズという、アメリカン・ルーツミュージックをリスペクトし続けるギタリスト。貴方がもし「アコースティック・スウィング」という呼称に敏感な音楽ファンなら、このちょっと地味な感じのギタリストは要チェックである。彼のキャリアが、天才ジャズ・マンドリニスト Jethro Burns や、伝説的ジャズ・フィドラーの Joe Venuti や Vassar Clements らとの共演に端を発していることからもピンと来るだろう。'90年代半ばからソロでも活躍するようになり、現在はワイオミングで Wind River Guitar というギタースクールを開催してもいる。
アコースティック・スウィング畑のミュージシャンは個性的でアクの強いタイプが多いが、Mike Dowling は無色透明タイプというか、クリーンで控えめな反面、色んな人・音楽の中に隅々まで染み込んでいく触媒のようなものかも知れない。影響を受けたギタリストに George Barnes や Mississippi John Hurt、Oscar Aleman、Tampa Red、Lonnie Johnson を挙げる彼が奏でるギターは、さながらアメリカの音楽史を映して回転する走馬燈だ。
'01年、新興アコースティックレーベル Acoustic Music Resource からのブルースギターアルバム。殆どのナンバーがナショナルのリゾネイトギターで弾かれ、アコギブルースファンには興味深い一枚。カバーを敢えて(?)排してオリジナル作で固めているのも面白い。泥臭さや黒っぽい体臭が希薄で、妙にスカッと爽やかな印象なのは、同じレーベルのブルースギタリスト Kenny Sultan と共通している。プレイもルーズな所が全く無くて、カントリーブルースギターの教科書と言ってしまいたい程スクエアだなぁ。私なんぞ早速「コピーしたい心」がムズムズと...(^^;) ギターを弾かない人にも、ルーツ不明の妙ちくりんなニューエイジギターなんかより、よほど和めること請け合いってことでお勧めです。
下にあるアマゾンのアイコンをクリックすると、この CD を購入できます。