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    アコギスト宣言!!

    George Van Eps (ジョージ ヴァン エプス)

    2005年6月19日

    USA 1913-8-7 〜 1998-11-29 ジャズ/フュージョン スティール弦ギター フラットピッキング

    プロフィール

    Bucky Pizzarelli をはじめとするオールドテイスト指向のジャズ(エレベーターミュージックなどと言う人もいるが)ギタリストに愛用されている、通常のギターに低音弦を加えた7弦ジャズギター。このギターの骨太でスウィンギーなサウンドが米国では最近静かなブームだというが、ここで紹介するいぶし銀のギタリスト George Van Eps こそが、7弦ジャズギターのオリジネイターとされている。戦前ギタリストの多くがバンジョーからギターにスイッチしたのと同様に、音楽一家に生まれ育ち父の影響で始めたバンジョーを、Eddie Lang のプレイを耳にしてギターに転向している。本格的なキャリアのスタートは'34年の Benny Goodman 楽団への加入で(1年程で退団してしまうのだが)、その後もハリウッドを拠点に多くのミュージシャンの傍らで、派手さこそ無いものの暖かみのある渋い名伴奏をたくさん残している。速いパッセージやスリリングなスケーリングに耳が奪われがちなジャズギターだけど、珠玉のコードワークと表されるこの寡黙な天才には間違いなく一聴の価値がある。

    アルバムレビュー

    Mellow Guitar

    別に長年の脇役に嫌気がさした訳でもないだろうが、George Van Eps は'50〜'60年代にかけてギターソロのリーダー作を精力的にリリースしている。本作はその中の一つ、'57年の Columbia からのストリングスやバイブをバックに配した、タイトルどおりのメロウな快作。ギターはアンプラグドではないだろうが、卓にダイレクトインしたような限りなくアコースティックでナチュラルな音質となっている。要所々々にストリングスやパーカッションで補強がされているとはいえ、紛れもなないジャズギターのソロアルバムである。Joe Pass の「Virtuoso」以前にこんな作品があったのか!! と筆者は興奮しながら聴きはじめたものである。程なく興奮は心地よい安寧感に変わるのだが、それは Joe Pass の力こぶの入った感じのギターワークとは正反対の、完璧なスムースさにノックアウトされてしまったから。とはいえ、例えば11曲目「The Boy Next Door」での巧みなコード・ソロに、はっと息をのむ瞬間も。酸いも甘いも噛み分けられる(^^;)、オトナのギターファンにお勧め。

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