2006年6月11日
USA 1926-1-9 〜 ジャズ/フュージョン スティール弦ギター フラットピッキング
7弦ギターを駆り、古き良きスウィングジャズの調べを現代に伝える、古老ジャズギタリスト。長男 John と長女 Mary もギタリストとして、次男 Martin はベーシストとして大成しており、親子での共演盤も多い。特に John Pizzarelli は、父以上にストレートアヘッドなスウィング指向と甘いボーカルで、エンターテイメントジャズの大御所として貫禄を纏いつつある。
さて、Bucky Pizzarelli は9歳のときにバンジョーとギターを弾き始め、17歳で地元のダンスバンドのギタリストとしてプロキャリアを開始している。その後も多くの楽団やフリーランスのギタリストして評価を高めていくが、大きく羽ばたいたのは'70年代。Benny Goodman の楽団に参加しながら、優れたリーダーアルバムを発表するようになる。リズムギタリストとして出発した Bucky Pizzarelli のチャームポイントは何と言ってもコードワークを主体にしたダイナミックなソロプレイだ。加えて7弦ギターの低音の迫力が加わって、洒脱ながら男気のある一種独特の色気が漂っている。
'99年、トレードマークとなった Robert Benedetto 作の7弦ギター一本のみで Eddie Lang や Django、George van Eps、Carl Kress ら、いにしえの名ギタリスト達のナンバーを奏でるという、究極のジャズギター・アンプラグド・アルバム!! 特に沢山収録されているのが Carl Kress の楽曲だが、Kress は Eddie Lang と同時期に活躍して'65年に50歳を待たずに没した草分け的ジャズギタリスト。リーダー作も少なく、我々の耳にプレイが届きにくい伝説の存在なので、このような形でリスペクトされることはギターファンとして嬉しい。
全体としてはジェントルでメロウな雰囲気だが、アルバム最後付近のオリジナルナンバー「Slamerino」からの3曲はスリリングにジャンプしていて、聴いてるこっちの心臓もスウィングしそうだ。そしてアルバム中最も艶めかしくてビターな味わいのブルース「Silk City Blues」(オリジナル)で幕を閉じる。合計20曲、お腹がいっぱいだ。なんて素晴らしいギターアルバムだろう。こりゃ、Joe Pass の「Virtuoso」に並んでジャズ愛聴盤になるなー。
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