2006年7月31日
USA 1947 〜 ブルーズ スティール弦ギター フィンガーピッキング
カントリーブルーズやラグタイムを中心に枯れた味わいのフィンガーピッキングを聴かせる、その方面では有名なアコギスト。Stefan Grossman 主催のギターワークショップ人脈の一人、といえばピンと来るアコギファンも多いだろう。ブルーズとは特別縁が深くもないペンシルバニアはピッツバーグの出身だが、子供の頃に叔父の農場で働いていた男からギターやバンジョーを習い、さらに町を訪れた Rev. Gary Davis の演奏を聴いてブルースギターにのめり込み、後に追いかけるようにニューヨークまで赴いて Gary Davis に師事したというから、相当濃厚なアコギ・ティーン時代である。大学に進学して心理学の博士号まで取るが、ブルーズの世界に舞い戻り'80年にレコードデビュー。教則本やビデオを多数出版しながら、コンスタンスに活動を続けている。多彩なスタイルのブルーズギターをマスターしており、タイトでシンプルなギタープレイと素朴な唄声が魅力。
デビュー作以降アルバム発表が途絶えていたが、'96年の本作以降リリースを活発化させている。彼は作曲もこなすが、ここでは Son House や Skip James、Rev. Gary Davis といったいにしえのブルーズマン達に焦点をあててカバーやトラッドでアルバムを埋め尽くしている。全15曲中、6曲がアコギインスト。Blind Blake の聖典「Police Dog Blues」をスタンダードチューニングで弾いているも興味深いし(オリジナルはオープンD)、本来は弾き語りナンバーの Skip James の「What Am I to Do Blues」をインストにアレンジしているのも聴き逃せない。一見ベーシックなカントリーブルーズのカバー集のように見えて、その実は様々なアイディアが盛り込まれている。飲み口スッキリでキレのあるアコースティック・ブルーズ、てな感じでお勧めである。
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