2005年2月13日
日本 ジャズ/フュージョン フラメンコ ガットギター フィンガーピッキング
全方位型ガットギタリスト、とでもいうべき東京出身のギタリスト兼作編曲家。10歳よりクラシックギターを始め、ジャズギターを松木恒秀氏に、フラメンコギターを三沢勝弘氏とのこと。フラメンコギターはギタリストとしてのキャリアを築いた後に習得したらしく、フラメンキスタを志したというよりは音楽的色彩の幅を広げる為の手段と理解している。フラメンコギターはテクニックの宝庫と言えるジャンルであり、特にリズム感覚は他に類を見ない深慮な世界があるので、これはとても理にかなった修行方法かな、と思う。現在はソロワークとしてギターアルバムを発表する一方、バイオリニスト平松加奈、タブラ奏者吉見征樹らと Spanish Connection を結成、活動中。
'01年、Spanish Connection のデビュー作。このユニットのコンセプトは「ロマ音楽であるフラメンコをベースに、ロマのルーツである北インドからアラブ、ヨーロッパへの道程を俯瞰する」というようなものらしい。これはロマミュージック好きの私にとっては非常に興味深い試みで、やるからには上っ面をなぞるようなレベルに留まらないで徹底的に探求して貰いたい。...と思いながら聴いたこのCDは、...うーん、期待が大きすぎたかな〜(^^;)。ギタリストとしての力量や編曲の才は確かだし、取り上げるカバー曲(「哀愁のヨーロッパ」や「Asturias」等々)も面白い。コンセプト云々抜きに聴いたらエキゾチシズムをうまくパッケージングしたポップな佳作だと思っただろう。学究的なことが目的じゃないだろうから、これはこれで良いのだろうけど... 随所に Paco de Lucia 印のファルセータが引用されているのはご愛敬か。ラストナンバーの「Far East Bounce」が、日本人としてのアイデンティティを意識して書いた曲とのことだが、私には むしろ Chick Corea のピアノ曲みたいな美しさが感じられ、面白かった。
下にあるアマゾンのアイコンをクリックすると、この CD を購入できます。