2005年12月18日
USA ハワイアン ガットギター スティール弦ギター フィンガーピッキング スラックキー
スラックキーギタリストで若手の中では注目株ナンバーワンなのが、この Makana (本名は Matt Swalinkavich)。幼少のころからスラックキーギターに親しみ、13歳の時にはかの Sonny Chillingworth から手ほどきを受けてもいる。'93年からクラブでの演奏活動をスタートさせ、その時からステージ名として、「贈り物」を意味するハワイアンネーム Makana を名乗っている。'01年にはアルバム「Makana」でメジャーデビュー。
それにしても、ハワイアンミュージックのマーケットは一昔前に比べると比べものにならない程大きくなってはいるが、スラックキーギターに関してはまだ一部の好事家が独占しているイメージが否めない。Makana は、師 Sonny Chillingworth 譲りのテクニックを持ちながら、電化ポップに迎合すること無しにスラックキーギターの魅力を開かれた地平に持って行こうとしていることが注目される(ついでに言えば彼の若さと美貌・美声もその試みに大きく貢献している)。
'04年発表のサードアルバム。タイトルはハワイ語でスラックキーギターの俗称とのこと。これは、このアルバムがそれまで以上にギタリストとしての彼の本領を前面に打ち出した始めたことも意味している。ボーカルとギターインストが交互に披露される形式になっているが、そのギタープレイは本当に素晴らしい。そう思うと、この腰箕をまとったエキゾチカなジャケットは一寸損をしてるんじゃないかな〜(^^;)。さて、ギターインストを紹介していこう。トップを飾る短いナンバー「How'd Ya Do」はオールドソングのカバーだが、変拍子を交えたスリリングな佳作だ。「Moana Chimes」はよくスラックキーでも弾かれる定番ハワイアン。師 Sonny Chillingworth の名演をギュッと凝縮してコンパクトにしたかのような完成度の高いプレイだ。「'Opihi Moe Moe」もまた有名な Leonard Kwan 作のギター・スタンダード。アップテンポで難易度の高い曲だが、Makana のプレイはスムースそのもので非の打ち所なし。そして「Ho'oilina」「As The World Tunes」とオリジナルナンバーが続くが、いずれもハワイアン臭が希薄でニューエイジミュージックのようでもある。「Blue Dolphin Song」は Keola Beamer の作で、ここでは珍しくガットギターでプレイされている。とまぁ、全て紹介しきれないが、本当にビューティフルなギターアルバムなのである。ボーカルナンバーもベースを加えた程度で伴奏はギターがメイン。その伴奏がまたバッキングギターの手本といって良い程イイ!! ギターファンには是非、ジャケに怖じけることなく(笑)このアルバムを聴いてみてもらいたい。欲を言えば、ギター曲にチューニングキーを付けて欲しかった...
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