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    アコギスト宣言!!

    Erik Mongrain (エリック モングレイン)

    2008年7月13日

    カナダ 1980-4-12 ~ ニューエイジ スティール弦ギター フィンガーピッキング タッピング 変則チューニング

    プロフィール

    Erik Mongrain は、ギターをラップ・スティールのように寝かせ、タッピングとボディヒットを織り交ぜながらギター一挺で「一人バンド」を実現してしまう、凄腕ギタリストだ。メタルやオルタナ系ロックを聴いて育ちエレクトリックギターを弾いていたが、Michael HedgesDon Ross らの影響でアコギ・ソリストに転校したという。そんな訳で、リズムによるダイナミクスを最も効果的に表現できる奏法を選択したのは、彼にとって必然だったのだろう。この奏法(彼によれば「ラップタッピング」と呼ぶらしい)、見た目のインパクトもさることながら、耳に突き刺さるようなパッションが強みだが、反面、音楽そのものが抽象的あるいは印象的なものに収束してしまうきらいもある。個人的には、前述の Don Ross のようなプレイが、ギターの長所を最大限に活かせるメソッドなのかな、と思っている。
    とはいえ、頭角を現したばかりの Mongrain、この先さまざまな変貌を見せてくれるかもしれない。次作では J.S.Bach から受けたという影響も見せてくれると嬉しいなあ。

    アルバムレビュー

    Fates

    '07年にリリースされたデビューアルバムだが、実はその前年から自らの Web サイトでダウンロード販売を行っていたとのこと(ちなみに現在では TAB 譜も扱っている!)。「宿命」というアルバムタイトルが仄めかすように、なにやら内省的で思慮深げなナンバーが多いが、アルバムトップの「Percusienfa」の鮮烈さは格別だ。心をわしづかみにするボディヒットから始まって、低音弦が唸り吠える中を、高音弦がどこまでも澄んだ透明な音を響き渡らせていく。この1曲だけでもじゅうぶんな価値のあるアルバムだが、比較的起承転結がくっきりしている「Mais Quand?」や、淡々としながら聴けば聴く程味わいの出る「Confusion #8」あたりも、筆者的には好み。
    この手の音楽にしては珍しく、大手ショップで大々的にプッシュされて好評を博しているみたいだが、なんとも喜ばしいことである。

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