2010年5月3日
ブラジル サンバ/ショーロ ジャズ/フュージョン ガットギター フィンガーピッキング
所謂「ミナス系」のブラジリアン・ギタリストにして、作・編曲家、ギター・インストラクター。ミナスジェライス州のグァニャンイス生まれで、家族は音楽一家だったらしい。'68年に州都ベロオリゾンテに移り、Milton Nascimento の「Missa dos Quilombos」のレコーディングに参加。以来、多くの著名アーティストの録音やツアーに参加しながら実力を付けていき、2000年以降に主にインストゥルメンタル分野で多くの賞を獲得する等、頭角を表しているようだ。ミナス系の大御所、Toninho Horta がそうであるように、このギタリストが紡ぐサウンドもまた、しっとりと柔らかく、清々しい。関係ないけど、顔立ちがちょっと Laurindo Almeida に似てるなぁ。
'07年のソロデビュー作。全編、ギターを中心としたインストアルバムで、ぎっしりオリジナルナンバーで固めてあることからも力の入れようが見えるようだ。マーケットを意識したのかスムースジャズ的な色合いもあって、トップナンバーの「O Mundo Das Artes」なんかは、まさにそんなテイスト。マイルドなトーンのエクレトリックギターのバンドサウンドで、ちょっとガッカリしたのだが、聴き進めていくとだんだんこのギタリストの本領が分かってくる。「Bate Papo」や「Choro Pra Alice」「João, Radamés Y Garoto」等は、これぞミナス・ギター!! と喝采したくなるような、繊細で美しいガットギターの爪弾きをたっぷり聴くことができるのだ。このアコギナンバーだけ集めて iPod に詰め、熱い夏の日、森林の奥深くで小雨に打たれながら Celso Moreira のギターを浴びてみたい。
下にあるアマゾンのアイコンをクリックすると、この CD を購入できます。