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    アコギスト宣言!!

    及川 治 (おいかわ おさむ)

    2004年5月15日

    日本 フォーク ブルーグラス スティール弦ギター フィンガーピッキング フラットピッキング

    プロフィール

    これは困った、何も情報が無いのである。ブルーグラスをベースにした伝説のアコースティックトリオ「メリケンジャップ・スウィング・バンド」でギターを努めたアコギスト、及川治。仕方なくCDのライナーからプロフィールをかいつまんで書き出すと、James Taylor や CSN 等の米シンガーソングライターブームに触発されてギターを持ち、オリジナルナンバーを書いてはライブ活動を行っていたとある。そしてマンドリンの片山紀彦、ベースの手島まさひでとメリケンジャップ・スウィング・バンドを結成したのは前述の通り。
    彼のギターはフォークミュージシャンを出発点としながらも、Django Reinhardt 譲りの強力なスウィング感、Bruce Cockburn らのノスタルジックな風味をも取り混ぜ、MJSB のほんわかとしたオールドタイムな個性の源となっている。もし私がこの音楽を、テクノやニューウェイヴで日本中が浮かれていた当時('80年頃)にリアルタイムで聴いたとしたら、きっと「古くさいこと、演ってるなぁ」と思っただろう。アメリカから遠く離れた日本では、ブルーグラスは数十年前に確立されたフォーマットを律儀に継承し続ける、時流から取り残された(もしくは自ら頑なに踏み止まっている)音楽の印象が強かったのである。でもその後ブルーグラスの祖国アメリカで Dawg 一派のミュージシャン達が音楽の異種交配を絶えることなく繰り返し、現在のアコースティックミュージックの支流が形作られ、そしてその幾つかが日本でも静かなブームとなっている現在、こう思わざるを得ない。「20年早かった...!!」
    三人とも現在ではカタギの生活をしているとのことだが(及川氏は築地で豆問屋を営んでいるとか...^^;)、3年に一度で良いから同窓会ライブでもやって欲しいものである。切実にキボンヌ。

    アルバムレビュー

    at The Any Old Time 1980

    '80年、評論家の鈴木カツ氏が経営していた築地のライブハウス「Any Old Time」でのライブを収録した MJSB の伝説のライブ盤が復刻された。真っ赤なジャケット中央には、ウッドベースにフラットマンドリン、ピックギター、そして Django Reinhardt のアナログ盤ジャケットが納められたモノクロの写真。そう、彼らが古色蒼然としたブルーグラスバンドではなく、Dawg一派の影響をモロに受けた新しいアコースティックスウィングミュージックを日本で確立させようとしていた証である。そしてトップナンバーは「Minor Swing」!! このところ、ジプシーブームとやらでこの Django の代表ナンバーも随分ポピュラーになってきた。ポピュラーといえばCMで耳にする Nitty Gritty Dirt Band のヒット曲「Mr. Bojangles」(好きなんです、私)が、3曲目でやや字余りな日本語訳詞でほのぼのと唄われる。ギターの聴き物としては、Bruce Cockburn 風の「真夜中の街角」が、ミディアムテンポなギターメインのインストとして秀逸。本当に、三者三様な音楽ルーツが気持ちよくとっちらかった好盤。マスターテープに起因するのだろうが、幾つかの曲中で回転数が乱れヨレヨレ状態なのは残念だが、なんだか意図したようでもあり、可笑しい。

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