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    アコギスト宣言!!

    ヒコ オカベ

    2006年12月2日

    フォーク ロック スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    国籍から生い立ち・素性に至るまで全く不明、ナゾのアーティスト(おそらく日本人だろうが)。CDから音楽的バックグラウンドを推し量るに、米国のフォークからブリル・ビルディング系に繋がるアコースティック・ミュージックに造詣が深いと見た。全ての自作曲で英語で作詞し、唄っているあたりは相当のこだわりがありそうだ。
    '60年代の米国発フォークリバイバルの折り、イギリス人も日本人も自国の古謡を素材にフォークミュージックの換骨奪胎を試みた。それはそれで一つの誠実さの表れだったのだが、このヒコ・オカベがやっているように音楽的形態を完全コピーしながらオリジナリティを注入していく方法は、今更だけどとても新鮮だ。そして、このやり方であっても、オリジネイターへのリスペクトは眩しいくらいに輝いている。なんだか、'70年代にタイムスリップして「自称フォークミュージシャン」達にこのCDを聴かせたくなってきたなぁ。

    アルバムレビュー

    フォークアート

    '99年、Ypop レーベルから。アーティストが正体不明なら、このアルバムのレーベルも全く得体が知れない(ネット時代の今、こんなことがあるなんて...笑)。CDオビに謳われているように、声と生楽器だけでつくられたネオ・フォークミュージックだ。ライナーの謝辞に John Sebastian の名前があるが、それからも判るように安易に「ソング・ライティング」された楽曲は一曲たりとなく、ギターの爪弾きひとつとっても米国の膨大なアコースティック音楽の豊潤さが凝縮されているようだ。美しい。まったく、James Taylor か、キミのギターは。Curt Boetcher か、キミのコーラスは。多重録音を駆使して完璧な箱庭を造りあげた、熱い想いに敬服するばかりなのだ。
    尚、13曲の殆どが弾き語りやアカペラの唄なのだが、「喋喋喃喃 - Lovin' Roomful Rag」が穏やかなギターインストだ。繰り返して言う。美しい。

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