2004年9月12日
日本 1959-9-23 〜 ニューエイジ フォーク スティール弦ギター フィンガーピッキング
北海道出身のシンガーソングライター。早くから唄の伴奏としては珍しく、オープンチューニングをフィンガーピッキングスタイルで奏でるなど、ギターに重点を置いた曲作りや演奏を行っていたという。俗っぽくて恐縮だが「北海道の広大な大地」とか「美しい自然」というようなフレーズが、これほどマッチするアーティストも居ない。すでに三枚のアルバムを出しているが、ギターと声以外を極力廃したストイックな音作りが変わらず貫かれているあたりは嬉しい。叙情的でふくよかな歌声をがっちりとサポートするのは、派手さはないものの、実に安定したギターのテクニック。明らかに時流からは外れているものの、めっきり少なくなった日本的叙情派フォークを求めるリスナーにはお勧めかも。ちなみに PETA という芸名は「アルプスの少女ハイジ」から取ったという、もっぱらの噂(^^)。
'01年発表の三作目。サポートミュージシャンとして著名な坂庭省吾氏がマンドリンで参加している。12曲中、ギターインストが2曲、なぜかアイリッシュブズーキのインストが1曲、収められている。その内の一曲「Powder Snow」は、曲名を実直に表現しようとした描写的なナンバー。唄の方はというと、最近の直接的かつ切実であろうとするソングライティングに慣れた耳からすると、どうにも古くさく聞こえ全く共感できないのだが、それにしても良い声で羨ましいかぎり。「ポレポレ」というオリジナルナンバーが唄われているが、そんなボヨヨンとした歌じゃなくて、この声で「ポレポレ節」(日本からのハワイ移民の苦労を歌った労働歌)を目の前で唄われたら、泣くかも(^^)。それから、ギタリスト垂涎のギター、アーヴィン・ソモギがとても良い音で録音されていることも付け加えておこう。