外部リンク
    アコギスト宣言!!

    Kelly Joe Phelps (ケリー ジョー フェルプス)

    2006年11月26日

    USA 1959-10-5 〜 カントリー フォーク ブルーズ スティール弦ギター フィンガーピッキング スライド

    プロフィール

    玄人筋からの誉れも高い、ブルーズ系シンガーソングライターにしてギターの名手。なんでもジャズ・ベーシストとしてキャリアをスタートさせたのだそうだが、カントリーブルーズに興味を抱くようになり、'94年に三十台半ばにしてソロ作「Lead Me On」を発表。この頃から既にいぶし銀のような唄とギターは完成の域にあった。遅咲きの逸材である。
    こういうタイプの名人的プレイヤーは、自分が引いた境界線の中で円熟することを良しとすることが多いが、Kelly Joe Phelps は変化していくことを全く気にしていないように見える。事実、近年の彼は何回目かの曲がり角に来ているようにも見え、この先が楽しみだ。

    アルバムレビュー

    Tunesmith Retrofit

    '06年。相変わらず唄とアコギをメインにしたシンプルなソングブック風だが、これまでと違うのは彼のトレードマークでもあったスライド奏法が影を潜め、楽曲の印象もブルーズ色が薄い白人フォーク風であること。内面の変化でもあったのかと思ったら、本人曰く「スライドギターに飽きちゃった」。ごくノーマルなスリーフィンガーに合わせて淡々と唄われるナンバー達は、何やら達観めいたものを感じさせ、清楚ですらある。ブルーズとヨーロッパ起源のトラッド風ナンバーが同居した独特の趣は、イギリスの Ralph McTell を連想させる。
    いずれにせよこのミュージシャンには、新作が即ち最高傑作なのだと訳もなく確信させてくれる力量とセンスがある。蛇足ながら、この人にしては珍しいギターインスト「Macdougal」「Tunesmith Retrofit」が含まれているのも何よりのプレゼント。

    下にあるアマゾンのアイコンをクリックすると、この CD を購入できます。

    Copyright © Mariyudu.net 2021