2004年8月7日
イギリス 1944-12-3 〜 ブリティッシュ・フォーク/ブルーズ ロック スティール弦ギター フィンガーピッキング
'70年代を中心にイギリスのフォーク・トラッドシーンで活躍し、現在でもコンスタンスな活動を続けるイギリスのシンガーソングライター。Mary Hopkin のヒット曲「Streets of London」の作者としても有名(Hopkinとはその後結婚 ^^;)。
ブリティッシュ・フォークという流れは現在でも存在しているのだろうか。'60〜'70年代にかけてイギリスでは、伝統的なトラディショナルフォークを題材にしてアメリカ発ではない新しいかたちのポピュラーミュージックを生み出していこうというムーヴメントが興った。その代表が Fairport Convention、Pentangle、Steeleye Span といったバンドであり、Martin Carthy や Al Stewart や Donovan、Cat Stevens、そして Ralph McTell らシンガーであった。さらにこの一派には、Bert Jansch をはじめとしたカリスマギタープレイヤーが多く、アコギ好きには見逃せない音楽ジャンルである。
Ralph McTell はトラッド色はそれほど強くないけれど、Al Stewart 風のソフトなボーカルと Donovan のポップさを併せ持った、万人に愛されやすいアーティストである。ギターもカントリーブルースのスタイルをそのまま受け継いだようなシンプルな奏法だけど、彼の形容しがたい魅力のある声が乗った途端、金色の魔法のギターになるんである。ギタープレイヤーとして、ということではないけれど、筆者長年のフェイバリット・アーティスト。
'69年発表のセカンドアルバム。彼のトレードマークとなったヒット曲「Streets of London」を含む。クセの無いフォークやカントリーブルース、ジャグバンド風のナンバー等で構成されており、どれもがシンプルで好ましいものばかりである。特に後者は、「自称ジャグバンド」の連中でもあまり聴けないジャグ・ベース(大きな瓶を吹いて低音を出す)がたっぷり聴けて面白い。Robert Johnson の「Kind Hearted Woman」のカバーも収められているが、Ralph の声が全くブルース向きではないのに結構ハマっていて、これまた面白い。ギターインストはフルートと掛け合うクラシカルな「Wino And The Mouse」と、ギター二重奏(オーバーダブかなぁ)の「Rizraklaru」。インストとして際だつ曲ではなく、やはりアルバム全体の夢見るような流れの中でゆったりと聴きたい。
ところでこの記事の為にネットでサーチしてたら、クラシックギター二重奏用の「Streets of London」(邦題「ロンドンの街々」)ってのがあるらしく、ギター部のサイトとかで大量にひっかかった。江部賢一さんのアレンジみたいだな。そ、そんなにエエんか? どんなんや?
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