2004年2月20日
イギリス 1945-9-5 〜 フォーク スティール弦ギター フィンガーピッキング フラットピッキング
甘口のボイスでスマートに唄われる「Year of the Cat」の大ヒットでAOR歌手みたいに思われているかもしれないが、Al Stewart は、Bert Jansch や Donovan 達と同様に'60年代のフォームムーブメント下のロンドンでクラブやコーヒーハウスでの演奏活動でキャリアを積んだブリティッシュフォーク/ブルースのシンガーソングライターである。その作風は、初期においては内省的な私小説風であり、後期には政治や歴史をテーマにしたもの等が多く、シリアスなアーティストであることがわかる。
'70年代の、辣腕ロックプロデューサー Alan Persons との出会いが、彼を大きく世界に羽ばたかせることになる。しかしそんな産業ロックの世界に嫌気がさしたのか、近年ではアコギを片手に小規模なライブ中心の活動を行っている。
'72年に発表された第5作。この盤を選んだのはもちろん、インストの「Once an Orange,Always an Orange」が収録されているからだが、その他の唄モノも名曲ぞろいで、初期のベストアルバムに挙げるファンも多いのではないだろうか。「Once an ...」では倍速(?)で再生されたギターに、バックの弦楽四重奏が荘厳に盛り上げるという一風変わったもので、一聴するとビバルディのマンドリン協奏曲のようでもある。インターミッションで加工されていないブルージィなギターのパッセージが差し込まれ、Bert Jansch を彷彿とさせる。
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