2003年12月1日
ドイツ 1948 〜 ニューエイジ ガットギター フィンガーピッキング
このギタリストを初めて聴いたのは、輸入盤屋で手に入れた Windham Hill の最も初期のラインナップ中の一作「Soliloquy」でだった。Ackerman をはじめ他のギタリストがアンビエントなムードのスティール弦だった中で、古風ながらも驚くほどポップなオリジナルナンバーを弾くガットギタリストに私は魅せられつつ、こんなにも優れたギタリストが何故国内盤で紹介されないのか訝しがっていた。David Qualey、米国出身だが現在はドイツに移って活躍している。「Soliloquy」のジャケ裏解説では「American Classical Guitarist」と紹介されていたが、実際にクラシックギターを習ったことは無いという。にしても彼の楽曲はおしなべて声部がくっきり高低に分かれてピアノ的であり、そのアプローチが端正なクラシック然とした印象を与えるのだろう。とにかく彼の作品は誰もが親しめる非常に優れたもので、クラシックギタリストにステージで取り上げてもらえば Qualey の知名度もずっと上がるんじゃないかな、などと思うのだが。
'80年、Windham Hill から。セルフプロデュースされており、全編混じりっけなしの無伴奏ギターソロ。トップナンバーの「Opus 20」は明朗快活なワルツで、次の「Homefeld Suite」はもの憂げなハバネラっぽいミドルテンポ。続く「Opus 21」は Jerry Reed 作? といいたくなるような快速のカントリーチューンだ。いやはや、本当に全12曲どれをとっても駄作が無く、特に優美なトレモロを交えた「Opus 22」や、一度聴いたら忘れられない旋律を持った「Sylvia's Waltz」などは掛け値無しの名曲だ。今では入手が難しいかもしれないが、ギター好きの皆にはなんとかして一度聴いてもらいたいもんだなぁ。