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    アコギスト宣言!!

    Rodrigo y Gabriela (ロドリーゴ イ ガブリエラ)

    2007年12月31日

    メキシコ ジャズ/フュージョン ロック ガットギター フィンガーピッキング フラットピッキング ユニット 女性ギタリスト

    プロフィール

    現在アイルランドで活躍中の、メキシコ出身の男女アコギインスト・デュオ。メンバーは、フラットピックでミュートを織り交ぜた DiMeola ばりの超速ピッキングソロをとる Rodrigo Sanchez と、フィガーピッキング主体のパーカッシヴなストラミングで縦横無尽なリズムを叩き出す Gabriela Quintero。なんでも、二人とも祖国でメタル系ロックバンドを営んでいたが、ロックシーン自体があまり活発でないこともあり、アコギを手に海外に武者修行に出た、というようないきさつらしい。
    '06年発表のセカンドアルバムが大ヒットしたことと、二人の(アコギデュオにしてはやや)特異な音楽的背景、このアルバムに Zep の「天国への階段」と Metalica の「Orion」のカバーが収録されていたことなどから、日本でもちょっと話題になった。ややもすると、二人のギターテクニックが興味の的になっているきらいがあるが、ジャズ・ラテン方面に目を向けるとこれくらいの水準のアコギは珍しくないし、ギター奏法が特殊ということもない。かといって音楽的にもミクスチャー度がそれ程突き抜けているとも思えないのである。では、このデュオの魅力は何なのか? それは前述のアルバムに同梱されている DVD に納められたライブ映像を見れば一目瞭然だと思う。一にも二にもリズムを前面に押し出した、分かり易いメロディとコード進行の楽曲。椅子に座りながらも体全体を使ったパフォーマンス・プレイ。それらに観衆が酔いしれているのがよく判る。腕に覚えのあるギタリストがタッグを組んだときに見られる自己陶酔のソロ交換なぞは皆無で、パワーの全てがオーディエンスに捧げられているのが快い。

    アルバムレビュー

    Rodrigo y Gabriela

    '06年、ライブ映像をふんだんに納めた DVD とセットで初版発売された、ご機嫌なセカンドアルバム。バイオリン等若干ゲストが参加したナンバーもあるが、基本的には二人の傍若無人ガットギターによる怒濤のアコギインストが9曲入り。特に「Diablo Rojo」や「Satori」はイントロから押しの強いリズムがドスバスと、あからさまなヘヴィ・メタル趣味のナンバーで嬉しくなるし、ロックスタンダードのカバーも2曲収録と、サービス満点。ところで、このギターデュオのキモは、やはり Gabriela 嬢のボディヒットを織り交ぜたリズムギターだと思うが、この奏法、音を聞いた印象ではフラメンコで用いられるラスゲアードとゴルペをロック風にアレンジしたものかと思っていた。ところが DVD に納められたギターレッスンを観てびっくり。親指と人指し指のアップダウンで細かい3連を連発する奏法で、ギターよりウクレレでよく使われる所謂バトキン奏法なのであった。この奏法は、手首を支点に指を円運動させるように弾くので、ギターでのプレイは無理があるだろうなぁ、と思い込んでいたのだが、いやー目から鱗だった。最近の、ニューエイジに換骨奪胎されたなんちゃってフラメンコみたいなガットギターのコンボには辟易させられていた昨今だったが、この二人はイイ!!

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