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    アコギスト宣言!!

    David Russell (デヴィッド ラッセル)

    2005年11月27日

    イギリス 1953-6-1 〜 クラシック ガットギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    スコットランド出身の中堅クラシックギタリスト。6〜10歳にかけて、家族とともにスペインに滞在しており、ギターもその時期に父親から手ほどきを受けたという。そのせいか演奏も Segovia 系というのだろうか、正確なリズム感と疾走感を求める傾向がある若手ギタリストに比べると、よく言えば風格と円熟味のある、悪く言えばレガシイな印象という感じだ。生真面目で繊細だが歌心ある演奏から、Julian Bream の後継者という評価も高い。実際、王立アカデミーで学んでいる期間に「Julian Bream 賞」なるものを二度受賞しているそうだし。雑食性のアコギ好きたる筆者から見れば、もうちょっと冒険というかクラシックギターの枠からはみ出るような試みを求めたくなってしまうが、本当のクラシックギター好きなリスナーにとっては足が地に着いた良い演奏家なのだと思う。これからクラシックギターを聴いてみたいという初心者が居たら、Russell のタレガ作品集あたりを奨めれば間違いない。

    アルバムレビュー

    Music of Barrios

    '94年録音。パラグアイのギタリスト兼作曲家 Agustin Barrios の没後50年を記念して作られた作品集。経験からいうと、クラシックギタリストを志すものなら Fernado Sor のエチュードなんてすっとばして(失敬)、Isaac Albeniz の「アストリアス」か Barrios の「大聖堂」を弾きたいと夢見るだろう。そう、緩急が鮮やかでドラマティックかつ荘厳な「大聖堂」は憧れだった。しかしこの Russell が弾く作品集を聴くと、大聖堂のバロック風な魅力は Barrios の一面であり、むしろショパンのような繊細でロマンティックな作風が大きな位置を占めていたのだと再認識する。David Russell の中庸美溢れるギターは、「密林のロマン派」Barrios のワルツやマズルカにこの上なく、良く映える。

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