2005年4月3日
フランス 1953-9-4 〜 ジプシースウィング ミュゼット スティール弦ギター フラットピッキング
フランスのマヌーシュ・スウィング系ギタリスト。ジプシーギターには豪快さと熱情が身上という男気的な側面があるが、Patrick Saussois のプレイは洗練されていて都会的であり、洒脱な味わいが魅力的だ。彼が率いるバンド Alma Sinti は、アコーディオンが大きくフィーチャーされていることもあり、サウンドとしてはホットクラブ系というよりはミュゼットに近いかも。数年前にミュゼットのコンピレーションの名盤「Paris Musette」が出たときは、それはもう数ヶ月に渡ってヘビーローテーションで聴き狂ったもんだった。あれ以来、アコーディオンとギターのアンサンブルを見つけると何もさておき聴いてしまう癖がついてしまったが、彼のギターと Jean-Claude Laudat のアコーディオンはそんな欲求を満足させてくれる極上のサウンド。プレイヤー・作曲家として活動する傍らレコードレーベル DJAZ Records を主催し、盟友 Tchavolo Schmitt らのアルバムリリースも活発に進めている。このレーベルは他にもマヌーシュ系ギタリストが多く在籍している。Django 系ギターファンは要チェックかも。
'02年、DJAZ Records からの Alma Sinti 名義の3作目。チープな雰囲気漂う怪しいイラストのジャケットに騙されてはいけない。音盤にはパリ発の粋で鯔背なアーバン・マヌーシュ・ジャズがしっかりと刻み込まれている。彼らの守備範囲は広く、東欧ジプシー風のメランコリックなナンバーからボッサ調のラテンナンバーまでバラエティに富んでいるが、やはり三拍子の正調ミュゼットナンバーが嬉しい。Saussois の腕の確かさは一聴するに明らかだが、むやみに暴れ回ることなくバンドのサウンドを優先させた穏やかなギタープレイになっている。日本盤は未発売みたいだけど、このサウンドなら絶対に(特に女性に)ウケると思うんだがなぁ。ジャケットは差し替えなければいかんだろーが(^^;)。
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