2005年1月10日
フランス 1979-9-20 〜 ジプシースウィング スティール弦ギター フラットピッキング
Tchavolo Schmitt を輩出したことでワールドワイドな知名度を得た、Schmitt 一族の有望若手ギタリスト。父 Dorado は Tchavolo の従兄弟だとか(Samson の面影は父よりむしろ Tchavolo にそっくり^^)。その父より早い頃からギターを習った彼は、12歳にしてドイツのジャズ祭「International Jazz Festival of Munich」に出演している。十代の大半を父の五重奏団の一員として過ごし、現在では自身の五重奏団を率いて活躍中。Django 印のギタリストはただそれだけでハイ・クオリティを保証されている。言い換えれば限りなく高いレベルの世界で、なおかつ様式美のくびきと戦いながらオリジナリティを発揮せねばならないハードな世界な訳だ。Samson のギターはというと、若さならではというかエネルギッシュで夢見がちな快活さに溢れている。Django の情熱的なスウィングの裏側にある幽玄あるいは悲哀に魅せられた者からすると、少々食い足りなく思ったりする(しかしまあ酷な要求ではある)が、その辺は今後に期待、ということになるのだろう。
'02年発表の、Samson Schmitt Quintet のデビュー作。父 Dorado もゲストとして数曲に参加している。Samson とこのバンドメンバーは作曲の才にも長けており、自身らのオリジナルナンバーを多く含む。Dorado とのギター対決が楽しめる Django ナンバーの「Micro」。ソロの凄まじさもさることながらヴァイオリンのバックで挑発的なリズムのオブリガードを繰り出す古典ナンバー、「Lime House Blues」。ビバップ・ライクな導入部がマヌーシュ・ジャズの新しい息吹を感じる Charlie Parker の「Dona Lee」。そして私が大好きなスローナンバーの Django スタンダード「Melodie au Crepuscule」(邦題「黄昏のメロディ」)。マヌーシュ・スウィングの楽しさが十二分に楽しめる、文句なしにお勧めの一枚。
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