2004年8月29日
日本 1984-6-18 〜 ニューエイジ スティール弦ギター フィンガーピッキング タッピング
札幌から現れた超弩級アコギスト!! 押尾コータローが現れた時もかなりビックリしたが、この谷本光は17歳で頭角を現し、この原稿を書いている時点で若干二十歳そこそこである。Michael Hedges 以降に編み出された新しいギター奏法の数々を全て身につけているかの様な驚愕のプレイ。そして演奏するのは自分自身で書いたインストナンバーの数々だが、これがまたパワフルかつポップで素晴らしいのだ。20世紀の頃(^^;)は、日本人ギタリストは緻密で綺麗な演奏をするけど、グルーヴ感やダイナミクスが無くてなぁ... みたいにこぼしていた記憶があるが、今ここに至ってはそんな不満は完全に払拭された。アコギを本格的に始める前に、谷本氏はロックバンドでベースを担当していたそうだが(あ、押尾氏とおなじだ)、弾き手の音楽的バックボーンから昔とは違うってことがアコギ界にもこんな形で顕れているんだろうか。
大きなお世話かも知れないが、谷本氏には一度(ブルースでも何でもいいんだけど)ルーツミュージックにどっぷりと浸ってもらって、ストレートさが魅力のギタープレイに陰影が加わった新しい境地を魅せて欲しいもんだなー。
'02年発表のソロデビューアルバム。トップナンバーの「渡り鳥」からラストの「淡色の想い出」まで9曲、怒濤のアコギインスト。開いた口がふさがらない、35分弱である。最近ではちょっとやそっとのギターテクニックでは聴き手も驚かなくなっているが、これだけクオリティの高いナンバーを聴かされると唸らない訳にはいかない。打撃系(?)奏法をこれでもかと駆使したプレイが、Lowden のブライトなトーンと相まって耳に突き刺さってくる。人によってアコギに求めるものも違うだろうから、ちょっと疲れちゃう人も居るかも知れないけど、この先どう化けるのか分からないこの若いプレイヤーの名前を憶えておいて損は無いよ。
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