2008年8月31日
ドイツ 1956 〜 クラシック ガットギター フィンガーピッキング
ドイツの中堅クラシックギタリスト・作曲家。ドイツ中央部の都市カッセルの音楽院で教鞭をとりつつ、マンドリニストである奥さんの Gertrud と組んだデュオ Duo Capriccioso (数度の来日も果たしている)でも知られている。マンドリンのレパートリー(ギターもだけど)は、ルネッサンス期の作が多い訳だが、Michael Tröster がソリストとして弾く楽曲もその時代のものはやはり多い。一方、その反動かどうかわからないが Villa Lobos や Astor Piazzolla などの近〜現代ものも多く、クラシックならバッハやスカルラッティかフォーレやドビュッシーの時代、と両極端な聴き方をしている筆者の好みではある(笑)。
'02年、今をときめく Roland Dyens とともに自らのペンによるオリジナル作を多く収録した意欲作。すっかり有名になった Dyens の「Tango en Skai」で幕を開け、イギリスの大作曲家 William Walton の「5つのバガテル」で幕を閉じる。という訳で、タイトルの「Jazzy Guitar」にあまり意味はなく、ただの売り文句だろう。聴きものははやり、「ギターソロのための10の練習曲」他2曲の、他では聴かれない彼のオリジナルナンバーだろう。この組曲、情感たっぷりでろでろに甘く奏でるかと思うと、速いパッセージがばんばん登場してやや荒削りな彼の指さばきでぐいぐい前に進んで行く、といった具合にギターファン好きする緩急豊かな憎い佳曲となっている。モダンなプログラムの割には、残響を積極的に用いた懐古的な録音がされており、そのせいで割と堅めな彼の楽曲も奥ゆかしい古典のように聴こえてしまうのも面白い。
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