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    アコギスト宣言!!

    Mahmoud Turkmani

    2005年10月10日

    レバノン 1964 〜 エスニック ジャズ/フュージョン

    プロフィール

    ヨーロッパを中心に活躍中の、レバノン出身のギター/ウード奏者兼作曲家。ミュージシャン一家に生まれ育った彼は、フォークやポップミュージックといった両親とは違った音楽指向を育みながら6歳からギターやウードを弾き始める。その後、'80年代にはモスクワやスイスで音楽教育を受け、'90年代後半からコンサート奏者として活動を開始。'99年にはジャズの名門 Enja レーベルからレコードデビューを飾っている。当然のことながら、彼の作品はアラブ人としてのアイデンティティを浮き彫りにしているし、ギター演奏にしてもウードの奏法を取り入れた形跡がある。にもかかわらずレコードで聴く限り、彼の指先から放たれる音の印象はとても西洋音楽的なのだ。リズムでも音階でも西洋音楽を凌駕していると言われるアラブ音楽を、わざわざ窮屈な枠に縛り付けているんじゃないか? と思わなくもないが、この辺を判断するにはまだまだ聴き込みが足りない。現在ますます活発に活動を続けている模様なので、今しばらく注視しながら彼の真価を推し量っていきたい。

    アルバムレビュー

    Fayka

    '02年、Enja レーベルからの第二作目。ウッドベースとパーカッションを加えた、ガットギターとウードによる濃密な即興演奏。アプローチはジャズ的だけど、一聴して現代音楽の印象を覚える。それほどまでにクールな情熱が氷の刃のようにギラついている。そういえば、豊かに水を湛えた湖水風景がジャケットだった第一作目「Nuqta」には、沢山のゲストプレイヤーを迎えたバザール的な賑やかさがあったが、この二作目のジャケットは朽ち果てた遺跡と荒涼とした砂漠。祖先が究極の孤独の中で厳格な唯一神と契約を交わしたように、最小限の楽器構成で自己と向かい合おうとしたのか、などと勝手な想像を巡らしてみる。このレコード、大手レーベルの割には入手しづらいようだけど、本人のWebサイトで沢山の曲が試聴できるようなので、是非聴いてみてもらいたい。

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