2009年8月23日
カナダ 1977-3-20 〜 ニューエイジ スティール弦ギター フィンガーピッキング フラットピッキング タッピング
続々と新世代ギタリストを輩出中の、アコギ新興国カナダからまた一人、驚愕のギタリストが登場。'77年生まれの Erick Turnbull だ。10歳からギターを弾き始め(なんでもクラスの人気者になる為にギターコントみたいなこともやっていたとか)、カナダ国際フィンガースタイルギターコンクールで二度の入賞('04年3位・'05年優勝)を果たし、現在いちばん勢いのあるギタリストの一人と言えよう。この世代のギタリストのプレイを聴くと、タップやボディヒットがギターという楽器が生まれたときからある、当たり前の奏法に思えてしまう。凄いなあ、と思いつつもアーティストの立ち位置からしてみれば、なかなかにハードな状況なのかもしれない。タフにしたたかに、荒野に立ち続けてくれることを望む。
'05年、Candy Art Records から。カナダ国際フィンガースタイルギターコンクール優勝の勢いがそのままアルバムに持ち込まれたような、コンパクトだけどスピード感溢れるデビュー・アルバムになっている。Erik Mongrain の向こうを張ったような「Low C」、Davey Graham を彷彿とさせる意外に古風な一面を見せる「Jazz in A Minor」、フラットピックに持ち替えてラテンロック風に荒々しくギターをかき鳴らす「Pisces」、高速ブレイクダウンが聴く者の度肝を抜く「Birds Eye View」などなど、いやはや全ての曲がキラー・チューンだ、凄すぎる。クロージングの「Jingle Bells」を除き、すべてオリジナルというのも含めて、標準をとうに振り切れている。このアルバム以降、沙汰が無いのが気になるが、こんなアルバムが毎年届いたら聴く方の身が持たないので(笑)、気長に次作を待つ事にしよう。
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