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    アコギスト宣言!!

    山下 和仁 (やました かずひと)

    2004年2月22日

    日本 1961-3-25 〜 クラシック ガットギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    まさに世界最高のギタリスト!! テクニックのことばかり言うのは気がひけるが、彼の様に弾ける者は誰一人としていないだろう。幼少時代をひもとけば、父はギター合奏で有名な「長崎ギター音楽院」を主催するギタリストで、山下和仁そんな環境から幼い頃から自然にギターを弾くようになっていた。といっても無理矢理叩き込まれていた訳ではなく、例えば朝、小学校に登校する直前まで玄関でギターを弾き、下校して帰宅するやいなやまたギターにむしゃぶりつく、といった有様だったとか。
    '77年に、パリ国際ギターコンクールで史上最年少優勝を果たして世界の檜舞台を踏んでからというもの、現在に至るまで山下和仁の怒濤の前進は止まることが無い。世界を驚愕させた Mussorgsky「展覧会の絵」の全曲ギター移植をはじめとして、J.S.Bach の「無伴奏チェロ組曲6番」や Beethoven の「バイオリン奏曲ニ長調」、Liszt の「ハンガリー狂詩曲2番」等の有名作品を次々にアレンジ演奏してきた彼だが、最近はクラシックギタリストの「本業」に立ち戻った様で、それはそれでクオリティの高い作品をコンスタンスに発表している。特に現代音楽作曲家の吉松隆とのコラボレーションは興味深い。それでも2年に1回くらいは、クラシック大作のアレンジを出して欲しいなー。それが出来るのは世界で唯一人、山下和仁その人しかいないのだから。

    アルバムレビュー

    展覧会の絵 & 火の鳥

    元は別々のレコードとして発売されていたものを、CD化に際してカップリングしたアルバム。「展覧会の絵」は'81年、「火の鳥」は'85年の録音・発表。それにしても当時、本当にこの「展覧会の絵」を聴いたときはぶったまげた。それまでは、Segovia が「古城」を編曲・演奏したものがあったが、全曲まるごとをギター1本で弾き通してるんだからねぇ。「雛の踊り」あたりまでの前半はそれでも、オリジナルのピアノを思わせるような端正さで進むが、後半は次第に Ravel のオーケストラアレンジさながらに重厚度を増しながら、時折狂気をのぞかせつつフィナーレの「キエフの大門」に突入していく。さらには「火の鳥」の方は、その狂気が遠慮なしに炸裂しまくりで、リスナーは圧倒されるのを通り越して怖じ気づいてしまうんじゃないだろうか。
    19世紀には、ピアノの Franz Liszt やバイオリンの Sarasate が、20世紀にはチェロの Pablo Casals がいたが、今我々の時代には山下和仁がいる。音楽史の流れや変革に思いをはせさせてしまう、破格の芸術家と同時代を過ごすことができて、なんとも幸せだ。

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