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    アコギスト宣言!!

    Andrew York (アンドリュー ヨーク)

    2004年8月23日

    USA 1959 〜 クラシック ニューエイジ ガットギター スティール弦ギター フィンガーピッキング

    プロフィール

    超絶技巧のクラシックギター四重奏団、Los Angels Guitar Quartet の看板プレイヤーとして知られる Andrew York は、アトランタ生まれのバージニア育ち。ジャズ/ポピュラーミュージック分野でスタジオミュージシャン兼作曲家として活躍していた経歴を持つ。'90年に LAGQ に加入するが、そのキャリアはグループの中でも曲づくりやアレンジで遺憾なく発揮されている。
    ここ数年では、若手クラシックギタリスト達が名刺代わりの様に York 作の「Sunburst」や「Moontan」を録音することが多くなってきた。御大 John Williams や Christopher Parkening が採用した影響も大きいのだろうが、明らかにクラシックの語法とは異なるこの曲が(初めて聴いた時は Alex de Grassi の作かと思ったものだ)、ソルだのカルカッシだのに明け暮れてきた日本のクラシックギター界に受け入れられている状況は爽快である。
    別段私は、何が何でも音楽ジャンルの垣根を取り払うべきだなどと考えている訳ではないが、他楽器に比べてクオリティの高い楽曲に恵まれているとは言い難いクラシックギターでは、プレイヤーが自分の個性や嗜好に合わせて他ジャンルの曲を取り入れていくのは必然と言えるだろう。そんな様相は昔からあったのだが、演奏者の視線はこれまでもっぱら現代音楽や南米のタンゴやフォルクローレに向けられていた。ブローウェルやテデスコといった現代ギター曲は私も大好きなのだが、多くの聴衆にとっては、やはり敷居が高い音楽だろう。そんなこんなで、クラシックギターという愛すべき音楽に独特の鬱屈感をもつギター好きのオヤジである私は、York のような豪傑が閉塞状況に風穴を開けるのを夢見ているのである。

    アルバムレビュー

    Perfect Sky

    '86年に発表されたソロ第二作を、リミックス等を加えて'96年にリイシューしたもの。York の代表作として名高いこのアルバムは、何故か日本ではなかなか入手が難しかったが、ネットで手に入れやすくなった近況を喜びたい。さて、このディスクはギターミュージックのショーケースのようなアルバムだ。トレードマークの「Sunburst」は無国籍ニューエイジ風だし、「Green Galliard」は題名どおり中世舞曲フォーマット。「Andecy」はペルーあたりのフォルクローレの色が濃いし「Sunday Morning Overcast」は歌詞が付けばヒットチャートに登りそうなポップなフォーク/カントリー風味。他にもジャズやラグタイム等、本当にバラエティに富んでいるのだが、そのどれもが全くオリジナリティとクオリティにおいて完璧なのだ。そして重要な事だが、たいへん親しみやすい。ギターの楽しさを知る入門盤として多くのリスナーに届いて欲しいと思うのだが、前述した流通状況の悪さには首をかしげる。下司を承知で言えば、テレビドラマのサウンドトラックにでもなればブレイク必至ではなかろーかと。

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