2022年1月6日
お正月は記事のことは考えずにマターリとアコギ音楽に揺蕩うつもりだったのだけど、ラリー・コリエル(Larry Coryell)の「ボレロ(Boléro)」というアルバムを見かけて少し調べることになったので、その事でも。
まずコリエルで「ボレロ」と言えば真っ先に思い出すのが、1981年にフィリップスから出た45回転の12インチシングル。ラヴェルの名曲を、無伴奏のオヴェイション一挺で熱く掻き鳴らす印象的なレコードで、シリーズ化のように「シェエラザード」や「春の祭典」等も続けざまにリリースされて、コリエル絶好調やな〜という時期だった印象がある。これらの作品は「シェエラザード」と「ボレロ」のカップリングで1984年に CD 化されており、Apple Music で聴くことができる。
さて、冒頭で述べたアルバム「ボレロ」に戻る。世間的にはどうだか知らないけど、自分には「こんなアルバムあったっけ?」という感じだったので、前述の「ボレロ」を収録したコンピレーションかなと思いながら聴いたら、二挺のギターによるオーバーダブで明らかに違うテイク。調べたら、1981年にストリングというレーベルからリリースされた正規アルバムであった。つまり1981年頃に二種類の「ボレロ」が録音されていた訳だ。ネットを探し回り録音日を調べたら、このアルバムの「ボレロ」(以下「二重奏ボレロ」)は1981年4月18〜19日に、12インチシングルの「ボレロ」(以下「独奏ボレロ」)は同年7月2日となっていた。「二重奏ボレロ」がイイ感じに出来上がったので、さらに企画を推し進めて高難易度な「独奏ボレロ」にチャレンジしたということだろうか、いや妄想だけど。
まぁ、ただそれだけのことなんだけど、コリエルといえばスティーヴ・カーンとのデュオを皮切りにスーパー・ギター・トリオの立ち上げ等で、フュージョンでのアコギムーブメントに多大な功績を残した人。亡くなってそろそろ5年が経とうとしているが、彼の軌跡をまた少し知ることができたかな、と思いながら聴いた40年前のアルバムでした。そういやジャケが島本和彦調で、コリエルの熱血キャラにマッチしてるよねw